| 研究概要 |
本年度の研究計画は、近交系マウスの中から4系統を選び新生仔に対する反応性を性差、生後日齢差について検討することにした。用いた方法は、(1)C57BL/6J,BALB/c,DBA/2J,C3H/Heの四系統の雌雄マウスを生後60日齢から160日齢までの動物である、(2)テストは、24時間前に集団飼育から個別飼育にしておき、ICRマウスが産んだ新生仔に対する反応性を「仔なめ型」「母性型」「仔喰い型」と「無視型」に類別した。結果を要約すると、雄マウスは生後日齢に関係なくC57BLとBALBマウスは、「仔喰い系統」、C3Hマウスは「子育て系統」、DBAマウスは「無視系統」であったが、雌マウスはほとんどが子育て型の反応性をもっていた。しかし、C57BLとBALBの雌マウスには、他の系統に比べて仔喰い型が多いことを発見した。
二年次の研究計画としては、仔喰い系統のC57BL雄マウスが何故自仔を喰い殺さないかについて、実験的に確かめることにした。用いた装置は、V字型に連結した三室の装置の両側面から小型扇風機で仔の匂いを送風した。テストした仔は、同腹自仔、同腹他仔、異腹他仔の3種類とする。得られた結果を要約すると、(1)同居した雌マウスを妊娠させたC57雄マウスが、同腹自仔よりも同腹他仔の方により長く滞在したこと、(2)ナイ-ヴのC57雄マウスが、異腹他仔より同腹他仔の方により長く滞在する傾向を示した。(3)選択部屋に入った回数は、同居した雌マウスを妊娠させたC57雄マウスが同腹自仔より同腹他仔の方により多く入り、ナイ-ヴのC57雄マウスが異腹他仔より同腹他仔の方により多く入る傾向を示した。現在は、C57マウスの雌雄を用いて仔の匂いではなく接触を可能にする手がかりで自仔と他仔の識別を調べている。
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