1.ハトによる研究 1).ハトとネズミの弁別訓線後には鳥類対哺乳類というカテゴリ-化が見られるが、ハトとネズミの弁別訓線後にはその様なカテゴリ-は見られない。 2).ハトとウズラの弁別後には、ハトと他の鳥というカテゴリ-化が見られるが、ハトとハトの弁別後にはその様なカテゴリ-化は見られない。 3).ハトの頭部による個体弁別は可能であるが、人間にとって見分けがつきにくい個体間の弁別はやはり困難であった。又 頭部の各部位をうこがりに配置した刺激には反応しないので、ハトの顔をまとまりのある刺激として認知している事が推察される。 4).実際のハトを弁別刺激としたオペラント弁別は可能があり、この手がかりは主に頭部の手がかりであった。 5).個体弁別な外線定体捐傷で障害をおこすが、種弁別は維持される。顔の弁別も外線定体捐傷で障害をうける。高線定体捐傷はいずれの場合も障害をおこさない。 2.ネズミによる研究 1).マウスにおいとY迷路を用いた個体弁別が可能であり、手がかりは主に嗅覚であった。 2).条件性選好を利用した訓線法では、さらに短期間で弁別が会成し、個体弁別、コロニ-弁別いずれも形成可能であった。 3).母親認知は条件づけ前の選好では不明答であったが、条件づけ後には明瞭に認められた。 4).他個体の嗅覚手がかりのみによる弁別は可能であったが、個体弁別そのものには他の手がかりも利用されていた。
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