研究課題/領域番号 |
01450039
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松野 豊 東北大学, 教育学部, 教授 (70014678)
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研究分担者 |
野口 和人 東北大学, 教育学部, 助手 (40237821)
国分 充 金沢大学, 教育学部, 助教授 (40205365)
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キーワード | 精神遅滞児 / バランス / 平均台歩き / 片足立ち / 身体重心動揺 / 行動調整能力 / 反射系 / 視覚機能 |
研究概要 |
前年度までに被験者となった者の平均台歩き及び片足立ちの成績の追跡調査と研究の取りまとめとを行ない、研究成果報告書を作成した。本研究の成果は、以下の4点に集約される。 1.精神遅滞児・者のバランス障害の様相には3タイプあることが、重度から軽度にわたる精神遅滞学童及び成人192名を対象とした平均台歩き(動的バランス)及び片足立ち(静的バランス)の測定の結果、明らかとなった。すなわち、動的バランス、静的バランスの成績が共に著しく低いX群、動的バランスの成績に比して静的バランスの成績が著しく低いS群、静的バランスの成績に比して動的バランスの成績が著しく低いD群である。 2.行動調整能力とバランスとの関連を検討したところ、S群のバランス障害の要因として行動調整能力の障害があることが確かめられた。これらの者では、直観的に行動を方向づけ調整する物が存在する状況の中でバランスの改善指導を行なうことが有効であることが、台上片足立ちの測定から示された。 3.反射(反応)系の障害とバランスとの関連を、筋緊張、跳び直り反応、傾斜反応などの平衝反応を取りあげて調べたところ、X群の者は反射(反応)系に軽微な障害を有することが示された。そして、この群に属する者たちのバランス改善のためには、特別にその運動量を増やす働きかけが必要であることが、万歩計を用いた日常活動量の測定から示唆された。 4.立位姿勢の調整に視覚情報をどう利用しているかを身体重心動揺測定により調べたところ、X群及びD群はこうした視覚機能に問題を有していることがわかった。これらの者には視覚の定位機能を高めることが必要であると考えられた。
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