研究課題/領域番号 |
01450050
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
小野 正敏 国立歴史民俗博物館, 考古研究部, 助教授 (00185646)
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研究分担者 |
安室 知 横須賀市人文博物館, 学芸員
橋本 裕之 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助手 (70208461)
篠原 徹 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助教授 (80068915)
福田 アジオ 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (60120862)
上野 和男 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助教授 (80062008)
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キーワード | 自然観 / 生物的自然 / 民俗的技術 / 民俗 / モノグラフ |
研究概要 |
この研究の目的はまず所与としての自然環境が大きく異なる地域、つまり亜熱帯と落葉広葉樹林帯における村落を対象に、そこで住民の生活に関わる、あるいは関わってきた生物的自然に関する民俗を集中的に収集して両地域の自然観の相違を抽出することであった。 生物的自然と人間が織りなす民俗を舞台で演ずる役者だとすれば、それを支える地形・地理・気候・気象・水環境と人間の関係はその舞台装置であるといえる。前者における自然は人が働きかける自然、後者においてはそのまま人が受け入れる自然という主要な役回りは変わらないが、長い歴史的時間を考慮すれば役割の転換もありうる。つまり役者が舞台装置を長い時間をかけて変えることもあるし、逆に舞台装置が出し物を変えることもありうる。これは人間が歴史的時間をかけて新たな環境を作り出し、その人為的環境に民俗を適応させていくことを意味している。また新たな民俗的技術を獲得することによって人にとっての環境の意味を変容することもある訳である。この観点は今年度以前の2年間のフィ-ルドワ-クの結果から得た視点である。今年度はこの観点からそれぞれの資料を自然誌や技術誌を含むモノグラフとして作成することを考えた。そこでそのモノグラフの基本となる骨格を研究成果報告書としてまとめる作業を今年度行なった。その一部の成果が別途添付した『環境に関する民俗的認識と民俗技術的適応』と題した報告書である。
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