研究分担者 |
今岡 典和 京都大学, 文学部, 助手 (40193669)
久野 修義 岡山大学, 文学部, 助教授 (20144305)
藤井 譲治 京都大学人文科学研究所, 助教授 (40093306)
鎌田 元一 京都大学, 文学部, 助教授 (50092747)
大山 喬平 京都大学, 文学部, 教授 (70025055)
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研究概要 |
1.京都大学文学部博物館所蔵文書の調査と研究……館蔵の公家文書についてさらに調査をすすめた。まず、勧修寺家文書については調書作成を完了した。その結果,「勧修寺家文書」の大部分が日記・勘例・典籍であり、厳密な意味での公家文書の原本は比較的少ないこと,しかし中近世の日記や宣下・叙位除目関係書から公家文書運用の実態を復原することが可能であることなどが知られた。また同家の文書典籍目録二点を検討し,典籍類の保存形態に関する情報を得た。次に,平松家・壬生家・中院家の文書について概要調査を行ない,主要なものの調書を作成した。古代〜近世の文書原本が多数含まれること,家ごとにかなり性格が異なることを確認し,現行仮目録改訂のための本格的調査が必要であることが判明した。文書様式論とともに今後の課題である。 2.公家の社会と文化の研究……文学部博物館所蔵の公家装束・器物・肖像画について総合調査を実施し,写真つきの調書作成を完了した。また、近世勧修寺家を支えた所領に関する文書の再検討も行なった。これらは近世公家の社会・文化を解明する基礎作業として位置づけている。成果の一端は博物館図像『日本肖像画図録』に取り入れた。 3.博物館展示に向けての検討……文学部博物館の平成3年秋季展示「公家の政治と文化」(仮称)に本研究の成果を生かすべく,展示内容と方法についての検討を開始した。1に示した4家の文書と典籍を中心として,公家文書の様式と機能,公家の政治・文化の実態などを展示することとなった。特に様式論・機能論については本研究での成果がやや乏しかったため,さらに詳しい研究を蓄積する必要がある。
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