研究分担者 |
田中 仁 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (60171790)
小野 清美 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (60126844)
森藤 一史 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10110793)
西村 成雄 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (60030160)
阿河 雄二郎 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (80030188)
|
研究概要 |
本年度は,研究計画第三年度にあたり,研究報告書の取りまとめに向けて、研究分担者の中間発表の他は,執筆に力を注ぐ態勢をとった。昨年度に続いて5月11日には,杉田助手による「トル-マン政権初期の中国政策」の研究報告会が開かれ、6月8日には松田教授「新四国借款団と両大戦問期の日米関係」の研究報告が、7月15日には小野助教授「ヨハン・プレンゲの戦争哲学と社会主義論」、田中助教授「綏遠事変と日中関係」、9月6日には森藤助教授による「ウェスタン・インパクトと国民統合ー佐久間象山の場合」の研変報告と五島助教授「『世界システム』の変容と国民統合ーベトナム指導部の認識と対応」の研究報告が更に9月27日には大内一「ブルゴス市衰迢の原因をめぐって」の報告が行なわれ、いずれも突っこんだ討論が行なわれた。 研究の成果はまず、「『世界システム』の変容と国民統合」と題する研究成果報告書に集約され、出版される予定であるが,更に内容を深めた上で、本年度中に別に単行本の論集として公刊されることが計画されており、既に出版助成金の申請も行なわれている。 研究成果は,各国の歴史の実証的な分枠の中で各々の研究参加者の視点から展開されており、全体として要約するのは極めて困難であるが,あえてまとめうるとすれば、第一に「世界システム」として揮握されるべき世界史的な相互依存関係が,各国史の基本的な枠組みを規定していると同時に、また各国の内部における「中心」と「同縁」の緊張関係がこの世界史的枠組を規定し直すという重層的な関係が浮かびあがってきたことを指摘することができるであろう。これに注目することによって「世界システム」的祝角は、各国の実証史的な研究と接合して、一層豊かな成果を産むことができると思われるのである。
|