研究課題/領域番号 |
01450078
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 毅 東京大学, 法学部, 教授 (90009803)
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研究分担者 |
茅野 修 東京大学, 法学部, 助教授 (20114449)
塩川 伸明 東京大学, 法学部, 助教授 (70126077)
馬場 康雄 東京大学, 法学部, 教授 (40013031)
高橋 進 東京大学, 法学部, 教授 (40009840)
五十嵐 武士 東京大学, 法学部, 教授 (60009818)
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キーワード | ヨ-ロッパ共同体(EC) / 共通農業政策 / ヘルシンキ会議 |
研究概要 |
本年度の研究は大別して三つの領域を中心に行われた。第一は、いわゆる「92年」統合に向けて現在EC主要国で採られている経済政策である。第二は、70年代から80年代にかけてのECの機構の変遷と、その機構を前提として展開する政策過程である。第三は、「統合」ヨ-ロッパと域外の関係である。第一のテ-マについては、独仏英伊の各国の経済事情を反映して政策の力点に違いが見られる(例えば西独における通貨・金融政策、伊における産業政策など)ものの、押し並べてポスト新保守主義的傾向の中での緩やかな変化が進んでおり、「92年」はそれ程大きな画期にならないと思われる。第二のテ-マについては、一方に加盟各国の中央官僚・利益団体・政党・地域組織を置き、他方にEC固有の機構を置いて、「共通農業政策」の形成・変容・影響を検討するというケ-ス・スタディ方式を採った。この結果、従来の「国家」や「政府」を単位とする方法よりも精度の高い政策過程の観察が可能となった。この方法は例えば「日米経済摩擦」の政治過程などにも適用できるであろう。第三のテ-マについては、当初東西軍事ブロックの変質とヨ-ロッパ統合との関係という視角から研究を進めていたが、周知のようにソ連・東欧の激変とドイツ統一の急浮上という事態の展開があったため、枠組みの根本的見直しを迫られた。現在はヘルシンキ会議以降のいわゆる「全欧安全保障体制」の可能性に研究の焦点を移しつつある。また、この点との関連で、次年度では戦後史におけるドイツ問題とヨ-ロッパ統合の絡み合いについても改めて検討する予定である。
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