研究課題/領域番号 |
01450086
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
福島 久一 日本大学, 経済学部, 教授 (00059685)
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研究分担者 |
須原 祥介 日本大学, 経済学部, 助教授 (00088915)
草原 光明 日本大学, 経済学部, 助教授 (10096802)
三宅 忠和 日本大学, 経済学部, 教授 (70059484)
斎藤 重雄 日本大学, 経済学部, 教授 (60059376)
川島 陸夫 日本大学, 経済学部, 教授 (20059174)
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キーワード | 産業調整 / 企業内国際分業 / 産業の国際的配置 / 先端技術産業 / 海外生産 / 総合的内発型開発 / 環関東工業圏 / 地域の不均等発展 |
研究概要 |
国際競争力を唯一の調整基準にしているわが国の産業調整は、水平的かつ垂直的な国際分業をはかるために、積極的なスクラップ&ビルドを展開している。すなわち、わが国はオイルショック、為替レ-トの変更、そして技術革新の進展などによる世界経済構造の変化に対応して新たな利潤形成に有利な地域特性を求めて、海外直接投資の活発化と海外現地生産体制の拡大・強化をはかる一方、部品・製品の輸入拡大につとめ、国内と国外とを一体化した産業の国際的配置替え、国際的地域間分業を進行させているものである。現段階はまさに最適地生産、調達、販売の各拠点を有機的に統合したボ-ダレス化=新しい国際分業体制の形成・構築への過程にある。 この新しい国際分業は、企業内国際分業(工程別分業ないし製品別分業)として展開されているが故に、産業の国内的再配置、地域間分業を形成すると同時に地域的に不均等発展を生み出す。国際分業が地域の産業配置と密接に結びついているのである。東京への中枢管理機能の集積・集中と製造部門の東京からの移転による外延的拡大である。 前年度は秋田地区、塩釜地区、宇都宮地区を調査したが、今年度は太田地区および郡山地区を調査した太田地区は宇都宮地域と類似しているが、戦前からの機械工業を基盤にして今日では自動車、電気などの組立加工型産業地域として発達している。宇都宮地区と太田地区とが関連をも地ながら、「環関東工業圏」になりつつある。このことは、東京を頂点にした地域間の支配・従属的関係への萌芽をうかがわせるものであり、地域の産業構成をいっそう不均等にする側面を持っている。従って地域における産業の均等的発展をはかるためには、地場産業振興や商業振興と結びついた総合的内発型による地域経済振興策が必要不可欠となっている。
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