研究課題
総合保養地整備法の公布による県行政レベルでの観光・リゾ-ト開発への本格的取り組みの開始を踏まえ、地元資本、地場産業、地域住民のリゾ-ト形成への関与の方法を探ることを目的とした本研究では、沖縄における歴史的・文化的・地理的独自性と、「共同化」ないし沖縄的「共同思想」に着目して検討を進めてきた。本年度実施計画で予定していた1.図書・史料・政策資料等の収集、2.「共同」をめぐる沖縄的特質の整理・検討、3.各分野((1)大手企業「グル-プ」(2)中小企業、自営業者の共同組織(3)農林水産業の共同(協同)組織)の観光・リゾ-ト開発への参入状況の把握は、まず、1の点については、中央レベルでの資料収集を含め、かなり所期の目的を達成したが、市町村レベルでの政策資料収集に若干不備がある。2については、社会学、歴史学専攻のスタッフを中心に報告がなされ、一定の共通認識が得られた。ただし、経営における「共同思想」の内容の検討は残されている。3については、本島中北部(8、9月)、離島地域(11、2月)における調査、ヒアリングを通じて、重点整備地区における開発計画と地元企業、漁協の参入状況について一定の事実経過を確認することができた。総じて、開発が急ピッチで進行しているため地域住民や自治体と企業間の合意形成に問題がで始めており、「共同化」の具体的内容をさらに解明する必要がある。したがって、次年度は共同化により開発が進められているケ-スのさらに立ち入った分析と、沖縄的特性の経営面における現われ方をさらに細かく検討していくことが課題となる。
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