研究分担者 |
牛山 敬二 北海道大学, 経済学部, 教授 (60133691)
坂下 明彦 北海道大学, 農学部, 助手 (70170595)
黒河 功 北海道大学, 農学部, 助教授 (90125310)
太田原 高昭 北海道大学, 農学部, 助教授 (70002061)
臼井 晋 北海道大学, 農学部, 教授 (80018093)
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研究概要 |
本研究は、日本農業の中でも国際化の動きが最も急速で,しかも全面化している北海道農業を対象にして大規模な実態調査を行って、各個別農家が国際化に即応しようとして模索しつつある新しい展開志向を調査すると共に、そのような国際化への適応の試みの制度的な制約によって阻害されている実態を把握し、そのような作業を通してとくにつぎの5つの側面、すなわち農地制度、農業金融制度、農畜産物の加工流通制度、農業生産資材の生産流通制度、そして農業関係税制に制度的制約の存在状況を集約・分析して、その打開の方向ならびに可能性を見いださんとするものである。 本年度は、共通的素材として北海道の代表的農業地帯である十勝,網走,釧路,根室における総合農協の組合長全員に対して,地域農業の実状を反映したアンケ-ト調査を実施した。回答状況は、なんらかの手だてを講じて地域農業活性化に熱心であるとみられる農協管内ほどアンケ-トに回答する割合が高く、回答内容に関しても多岐に渡っている。 回答内容を要約すれば、今後の国際化に対処してそれぞれの地域農業はあらゆる手だてを講じて体質強化につとめているが、より根本的には「自助努力」のみでは限りがあり、緊急に農業関係諸制度の改革を行うことが必要・不可欠であるという意見が大勢を占めた。調査分析の作業過程において、あらゆる局面において制度的規制が存在するという実態が明らかにされつつあるが、農業振興のために新しい動きをしようとする場合の制度的制約をクリアするためには、実は関係者個人の努力・能力などの要素が大きな力となっていることが明らかになった。したがって制度的制約についての認識は、同じ制約であっても受けとり方に格差があり一様ではなく、この点についての生理が必要といえる。
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