• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

リマン海流文化の生態地理学的研究ー日本文化の北方圏からの分析ー

研究課題

研究課題/領域番号 01450107
研究機関東京学芸大学

研究代表者

山下 脩二  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80064731)

研究分担者 白坂 蕃  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40014790)
小泉 武栄  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30114812)
市川 健夫  信州短期大学, 経営学科, 教授 (60014825)
キーワード海流 / リマン海流 / 北方文化 / 北方圏 / 雪上歩行具 / スキ- / ハマナス / 北方少数民族
研究概要

1)ハマナスは、中国東北部、沿海州、カムチャツカ半島、樺太、千島、北海道などに広く分布している。主として海岸の砂丘に自生しているが、樺太では海岸から400〜500mの内陸までハマナスが繁茂している。ハマナスは北海道の花に指定されているが、中国のシンチャンウイグル自治区の首都ウルムチの市の木にもなっている。この事実は内陸でも分布していることを示している。わが国におけるハマナスの南限は、日本海岸では島根県大田市近藤ケ浜、太平洋岸では茨城県鹿島郡大野村である。日本海岸の方が南まで分布しているのは、青潮の下にリマン海流もぐって南下しているからである。
2)北方少数民族は、冬の積雪期間が長いこともあって、雪上・氷上における橇輸送は大きな役割を果たしている。橇を曳く家畜は、犬やトナカイ、馬が用いられている。アイヌ・ニクブンは犬、ウイルタはトナカイを使うなど、民族によって使用する家畜が異なっている。
3)古代スキ-は北方の少数民族の雪上歩行具として重要であった。樺太アイヌは長さ160cm、幅16cmの網状のスキ-(スト-)を用いていたが、裏にアザラシの皮が張ってある。山スキ-は沿海州、北朝鮮などの東北アジアにもあり、その分布地域を確認する必要がある。また現在アザラシの皮を張った山スキ-が製造されて狩猟用に使われている。秋田県・青森県などに存在していた古代スキ-は、信越地方にも存在することも考えられるので、今後さらに調査の必要がある。
4)北方圏文化の中に、重要なものに住文化がある。北方圏諸国との交流の過程で、これまで、北海道として遅れた住文化に対する認識が高まり、二重窓と断熱材を用いた耐寒住宅の建設が進んだ。その結果、暖房費は従来に比較して三分の一に減少している。

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi