研究概要 |
映像教材の理解過程の解明に際し、映像(刺激)の情報特性をなんらかの形で把握する必要が生じる。いわゆる映像教材のタキソノミ-が必要となる。我々は今年度,あらかじめ購入されたレ-ザ-ディスクへの刺激課題の登録に力点をおいた。このような研究目的上,刺激のなんらかの特性,とくに,学習者の学習過程になんらかの影響を与えるなんらかの特性を見出すことが重要な問題となる。 今年度は、映像のもつ情緒的特性に注目し,それをSenramtic Differencial法により測定し,続いてアイカメラを用いて同様の映像を呈示した際の瞳孔変化の測定を行なった。すなわち瞳孔の変化に重要な影響を与える刺激特性を,SD法を利用することによって特定しようとしたわけである。 SD法による測定の被験者には大学生41名を用いた。各被験者は,TVモニタ-に呈示される静止画像を見ながら,パソコンのCRTに表示された評定尺度を,キ-ボ-ド操作により評定した。使用した画面は20枚でNHKのTV番組「驚異の小宇宙・人体 第一集:生命誕生」から選択した。それらは風影,人物,胎児,生殖細胞,およびそれらに関するCGであった。瞳孔変化の測定にはNAC社製アイマ-クレコ-ダを使用し,自作の実験装置に改修したものを用いた。ここでは一方のカメラで眼球運動を,また他方で瞳孔の変化を測定した。 現段階で,明確な刺激特性を抽出するにはいたっていないが,SD法によるプロフィ-ルと瞳孔径の変化パタ-ンには一定の関連が指摘できる状況をみてとれる。
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