研究課題/領域番号 |
01460004
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増田 久弥 東京大学, 理学部, 教授 (10090523)
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研究分担者 |
小林 俊行 東京大学, 理学部, 助手 (80201490)
片岡 清臣 東京大学, 理学部, 助教授 (60107688)
小松 彦三郎 東京大学, 理学部, 教授 (40011473)
石村 直之 東京大学, 理学部, 助手 (80212934)
俣野 博 東京大学, 理学部, 助教授 (40126165)
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キーワード | 非線型反応拡散系 / 非線型拡散方程式 / 楕円型方程式 / 解の爆発 / ラプラス変換 / 境界値混合問題 / 順序保存力学系 |
研究概要 |
増田久弥は、非線型反応・拡散系の安定な周期解の存在を示すのに成功し、本年7月におこなわれた「有限次元・無限次元力学系」日米セミナ-で発表した。そのほか、非線型拡散方程式で非線型項の符号が変化する場合の爆発の問題を考察し、爆発するための条件を与えた。(文献〔1〕)俣野博氏は、ある種の半線型楕円型方程式(空間次元2)の孤立特異点の完全な分類を与えた。とくに大域的特異解の構成と分類に俣野が前に創った順序保存力学系の理論が分類に決定的役割をはたした。(文献〔2〕)さらに、半線型熱方程式(空間1次元)の解の挙動を調べた。とくに、有限時間で爆発する解については、その爆発集合が常に有限集合になることを示した。(文献〔3〕) 石村直之は、次の結果を得た。(文献〔4〕)水の表面張力は、準線型楕円型偏微分方程式の解で記述される。この解として多価関数を自然に含むものを考察した。補助変数を用いて解の存在および非存在を示し得た。多価関数解を考えることは、非線型問題において極めて重要である。小松彦三郎は、正の実半直線を除いた複素平面上の指数型整型関数を定義関数とするラプラス超関数のラプラス変換論を展開した。(文献〔5〕)またこの理論の枠内で作用素の半群あるいはサイン関数論も扱えることを示した。片岡清臣は、解析的線型偏微分方程式に対する境界値・混合問題に関する片岡一戸瀬の超局所理論をさらに発展させ、フランスのLebeauやSjostrandらの回折波の伝播に関する重要な定理の幾何学的証明を与えた。小林俊行は、有界領域の特性関数のフ-リェ変換の零点からなる解析的集合を対応させる写像を研究した。この集合の(領域が変化した場合の)漸近挙動を領域の境界の幾何的量で記述することに成功し、偏微分方程式の自由境界値問題への応用を与えた。(文献〔6〕)
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