研究課題/領域番号 |
01460006
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
森本 光生 上智大学, 理工学部, 教授 (80053677)
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研究分担者 |
吉野 邦生 上智大学, 理工学部, 助手 (60138378)
関口 晃司 上智大学, 理工学部, 助手 (80163096)
西沢 清子 上智大学, 理工学部, 助手 (90053686)
大内 忠 上智大学, 理工学部, 教授 (00087082)
和田 秀男 上智大学, 理工学部, 教授 (10053662)
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キーワード | 複素力学系 / ジュリア集合 / 数式処理 / 特異解の積分表示 / 特異摂動 / 複素球面 / 解析汎関数 |
研究概要 |
西沢、関口、吉野は、代数的数の分布のフラクタル性と複素力学系に関して興味深い定理を発見した。この定理は、与えられた充填ジュリア集合に根が分布する整数係数多項式の特徴付け(代数的整数のガロアの理論による特徴付け)を与える。 森本及び西沢は、コンピュ-タグラフィクスにより大学院生と共に多くの複素力学系の描画を実行中であり、そのいくつかはNilo Binongoや吉本美奈子の修士論文として発表された。森本は数式処理の手法を単行本として出版したが、この中には数式処理システムによるグラフィクスの利用方法の実験についても述べられている。 関数解析関係の結果には、次のものがある。ユ-クリッド空間内の球面上の解析関数を研究するには、球面の複素化(すなわち、複素球面)を考察する必要がある。複素球面上の関数解析には、解析関数や解析汎関数の球面調和関数展開が基本的である。森本は、これらの研究とそのフ-リエボレル変換について、研究をまとめ発表を行った。森本は、Ha Huy Bangと共同で、フ-リエ変換によってベルンスタインーニコルスキ-の不等式を得た。 微分方程式の研究については、次のものがある。大内は線型編微分方程式の特異解と除去可能特異点の研究を行った。内山は、実領域における線型双曲型方程式が低階の双曲型方程式に退化する特異摂動を受けるとき、初期値問題の解の高次のL2評価を行い、解の無限回微分可能な漸近展開に必要な先験的な評価を得た。 代数学関係の結果としては、沢田が、線型代数群の基礎と言う著書をドイツのエッセン大学より出版したことが特筆に値する。
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