研究課題/領域番号 |
01460015
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大沼 甫 東京工業大学, 理学部, 教授 (00011544)
|
研究分担者 |
織原 彦之丞 東北大学サイクロトロンRIセンター, 教授 (00004432)
與曽井 優 東京工業大学, 理学部, 助手 (80183995)
|
キーワード | 不安定粒子 / スピン・アイソスピン励起 / 直接反応 / ガモフテラ-強度 / 磁気スペクトロメ-タ- |
研究概要 |
スウィンガ-、スペクトロメ-タ-の磁石系の磁場測定が平成2年2月ー3月にかけて行われ、その後真空箱等の取り付け、コントロ-ル系の配線、真空テスト等を5月に完了し、6月に初めてのビ-ムを通した。7月以降は各種ビ-ムを用いてアクロマティックモ-ド、並びにディスパ-シヴモ-ドでのトランスポ-トを行い、各種パラメ-タ-を押えビ-ム輸送の方法を確立するとともに、フェイントビ-ムと散乱粒子をスペクトロメ-タ-内に導き、スペクトロメ-タ-の第一焦点面、第二焦点面の双方について、光学系の診断、多芯ドリフトチェンバ-(MWDC)や単芯比例計数管(SWPC)などのカウンタ-テスト、デ-タ取り込み系のテスト、バックグラウンドを減少させるためのシ-ルド増強等を何回か繰り返し、このシステムがほぼ設計通りの性能を持っていることが確認された。特に、140MeVの重陽子ビ-ムを用いて、実際の散乱ビ-ムを測定し、約130keVのエネルギ-分解能を得た。また、同時に液体シンティレ-タ-を用いた中性子TOF検出系の各種テストも行われ、飛行時間スペクトル、波高スペクトル、検出器の応答関数などのデ-タを得た。他方、東北大学や東大核研のサイクロトロンを用いて、実際の不安定粒子検出の諸テストを行った。 これらの実験を通じて、スウィンガ-・スペクトロメ-タ-と中性子TOF装置を用いての ^2Heおよびdの測定は十分現実性のあることが示された。さらに、この結果を用いて、これら不安定粒子の検出効率、三体終状態の運動学計算、ワトソン・ミグダル近似を用いた状態密度分布と同時計測した場合に得られる一次元射影スペクトルなどの計算が行われ、今後さらにスピンアイソスピン励起モ-ドの研究を広く進めていくための各種基礎デ-タが得られた。
|