極小キャリヤ-物質のヘビ-フェルミオン状態はSingle Impurityの近藤問題の最密解を単純に延長することでは決して理解出来ないことを10年前より吾々によって指摘されていた。本研究の期間中に極めて興味ある現象がいくつか発見された。これは一つには結晶作製面での著しい進歩をなすことが出来たことに大いに関係がある。この詳しい著述は、参考論文1)に述べてある。又、極小キャリヤ-のヘビ-フェルミオン状態といつでも様々な形態があることが判った。即ち1)磁気的秩序を示しかつ磁気モ-メントの大きさは、近藤効果によって少しも減らしていないヘビ-フェルミオン状態:CeSb、CeBi、CeAs、Cep 2)磁気的秩序を示すが、磁気モ-メントは近藤効果によって大きさがかなり減らしているヘビ-フェルミオン状態:YbP、YbAs 3)磁気秩序を示さないヘビ-フェルミオン状態:YbAs_3 以上が極端にキャリヤ-の少ない物質であるが、更に研究においてキャリヤ-が存在しない物質においても、ヘビ-フェルミオン状態が存在する発見があった。これには次の分類をすることが可能である。 1)磁気的秩序を示さないヘビ-フェルミオン物質:Sm_3Se_4 2)磁気的秩序を示しかつヘビ-フェルミオン物質:Sm_3Te_4 上述の如く、極小キャリヤ-物質にも多くの側面をもったヘビ-フェルミオン状態を存在することが多くの実験的側面によって明らかにすることが出来た。それは後述の参考論文に述べられている。しかし、これはまだまだ多くの成果が今後大いに期待され、国内外の協同研究が予定されている。本研究の大きな成果の一つとして、極小キャリヤ-でヘビ-フェルミオン状態の問題の面白さ、重要性が国内外で多くの人々によって認識され始めたこと、そのことによって協同研究が進みつつあることがあげられる。
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