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1989 年度 実績報告書

二次元層状物質の構造異常のX線的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01460028
研究機関筑波大学

研究代表者

大嶋 建一  筑波大学, 物理工学系, 助教授 (70109271)

研究分担者 大庭 卓也  帝京大学, 理工学部, 助教授 (00211110)
星埜 禎男  筑波大学, 物理工学系, 教授 (40013453)
キーワードX線散漫散乱 / 層間化合物 / 面内相関 / 面間相関 / AgxTiS_2 / 二次元短範囲規則度
研究概要

1T-TiS_2の層間にAg原子を挿入した化合物AgxTiS_2では室温でa^*b^*面内からc^*方向に伸びた非常に微弱な棒状のX線散漫散乱が観測される。これはAg原子の結晶学的振舞いが2次元的であることを示す。本研究では室温で2次元性を示すAg原子が低温では3次元的な相関を現すかどうか、またもし現れるならばどのような過程を経て次元性の移行が起こるのかを明らかにするため、単結晶試料を作成しX線散乱実験を行なった。その結果、ステ-ジ2(X=0.15)では降温と共に面内の2次元的な秩序のみが発達し、それが約250Kで終了すると同時に3次元的な相関が現れる。しかし、それは面内も積層方向も短範囲な規則にとどまり、180K以下では変化が見られない。また、棒状散漫散乱に沿って指数Lが半整数の位置に強度極大が現れることより、積層はαβαβ…の傾向が強い。一方、ステ-ジ1(X=0.25)にも同様な3次元秩序が現れるが、ステ-ジ2と比較して長距離な相関を持つことが確認された。さらに、格子定数の温度変化の測定では、ステ-ジ2の試料の(軸に関し〜250Kで異常な変化を観測した。これは次元性の移行に強く結びついている。なお、これらの移行には温度ヒステリシスが全くなく、2次相転移的に移行する。ステ-ジ2の2次元性を保ったままAg原子が短範囲規則する温度領域(250K〜350K)において、面内のX線散漫散乱の強度分布を定量的に測定し、二次元の原子対相関関数を求めた。その温度変化から、低温相での面内構造は√<3>×√<3>3R30°構造であると予測され、面内の相関は2次元OrnsteinーZernike関数で良く近似出来た。さらに面内のAg原子の最近接位置には空孔が存在する確率が大きく、ほとんど温度変化しないこともわかった。このことは面内でAg原子同志を第一近接から排除しようとする相関が非常に強いことを示しており、ステ-ジ変化および面内のAg原子濃度にも関係していると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Kuroiwa,K.Ohshima,H.Maeta: "A versatile new cryostat for obtaining X-ray diffuse intensity data from thin flat single crystals" Journal of Applied Crystallography. 23. 77-77 (1990)

  • [文献書誌] Y.Kuroiwa,K.Ohshima,Y.Watanabe: "X-ray diffraction study of in-plane and interlayer correlations in layered compounds AgxTiS_2" Physical Review B.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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