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1990 年度 実績報告書

共鳴核反応を用いた吸着水素の動的挙動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01460030
研究機関東京大学

研究代表者

村田 好正  東京大学, 物性研究所, 教授 (10080467)

研究分担者 山下 博  東京大学, 理学部, 助手 (40191291)
小林 紘一  東京大学, 原子力総合センター, 助手 (70108637)
福谷 克之  東京大学, 物性研究所, 助手 (10228900)
小牧 研一郎  東京大学, 教養部, 助教授 (40012447)
キーワード一層下の水素原子検出 / 測定法の開発 / 共鳴核反応 / 高エネルギ-単色化ビ-ム / 負イオン生成 / 吸着水素 / タングステン表面 / エネルギ-損失
研究概要

表面第1、2原子層間(subsurface)に潜り込む吸着水素を直接検出する測定法を開発した。これは6.385MeVに加速した ^<15>Nと ^1Hの共鳴核反応を用いるので、その共鳴幅1.8keVと同程度の2keV以下に入射ビ-ムを単色化させた。それには入射ビ-ムの加速にタンデム型加速器を用いているので、まず負イオンで加速するがN原子は負電子親和力のため、負イオンとして新たに ^<15>NH_2^-を用いて荷電変換の際のクロ-ン・エッックスプロモ-ジョンにより ^<15>Nサイオンのエネルギ-広がりが抑えられ、充分な強度で単色化した ^<15>Nビ-ムが得られた。この際 ^<15>NH_2^-の生成では ^<15>NH_2にKrを少量混入させて放電するのが強度・安定性の点から非常に効果的であることを見いだした。さらにプロトンのNMRのシグナルをフィ-ドバックさせて分析用電磁石の安定化をはかったことと、ビ-ムコ-スにQマグネットを設置して振り分けマグネット以降のイオンビ-ムをほぼ100%試料上に収束させたことも厳しい単色性の条件下で良好な入射ビ-ムを得るのに効果的であった。このようにしてエネルギ-広がりが2keVのビ-ムを20nAで安定に取り出す事に成功した。
この入射ビ-ムを用いて、W(001)とW(110)に飽和吸着させた水素原子で、γ線収量のプロファイルを同一条件下で測定し比較したところ、W(001)ーHに比べてW(110)ーHのピ-ク位置は、入射エネルギ-にして、垂直入射では0.7keV、45°入射では0.9keV高エネルギ-側にシフトしていた。このシフトがW(110)で水素原子が一部subsurfaceに潜り込んだことに基づくとして、W(110)ーHのプロファイルを差し引いたところ、3.7keV高エネルギ-側に差プロファイルのピ-クが現れる。subsurfaceの水素原子に基づくものと考えられる。すなわちエネルギ-損失はZiegelerの図表から予測したものの約4倍である。しかしこの違いなど論じるにはもう少しデ-たを蓄積し、信頼できる値にする必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M.Okada,H.Tochihara and Y.Murata: "Potassiumーinduced reconstruction of Ag(001)" Phys,Rev.B. 43. 1411-1415 (1991)

  • [文献書誌] C.Heimlich,M.kubota and Y.Murata: "ARUPS suudy of an imourityーinduced atabization of Si02 and Si(001)" Vacuum. 41. 793-795 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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