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1990 年度 実績報告書

ランダム磁性体における励起の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01460038
研究機関理化学研究所

研究代表者

勝又 紘一  理化学研究所, 磁性研究室, 主任研究員 (90002104)

キーワードランダム磁性体 / スピングラス / 希釈磁性体 / 磁気励起 / 電子スピン共鳴 / ESR / 量子スピン系
研究概要

本研究では異方性の競合するランダム磁性体及び交換相互作用の競合するランダム磁性体(スピングラス)における励起について実験的に詳しく調べることを目的としている。平成2年度に行った研究及び得られた成果は以下の通りである。
1.前年度に引続き研究に必要なMg_<1-x>Co_xCl_2,Mg_<1-x>Fe_xCl_2の種々の濃度の良質な単結晶を作製した。
2.前年度完成したESR測定装置を用いて1の試料についてミリ波領域のESR実験を行い,またパリ大学へ出張してJ.Tuchendler教授と共同でサブミリ波領域のESR実験を行った。
3.ランダムに希釈されたXY型磁性体Mg_<1-x>Co_xCl_2においてパ-コレ-ション濃度以下の磁気励起を調べた。いくつかのモ-ドが得られたが,それらは秩序相におけるものと周波数ー磁場依存性が同じ式で表せることが分かった。このことは,ある程度以上の大きさの有限クラスタ-は秩序相におけるものと同じESRスペクトルを与えること,またそのクラスタ-のサイズに種類があることを示している。
4.代表的な一次元ハイゼンベルグ反強磁性体Ni(C_2H_8N_2)_2NO_2(ClO_4)に少量のCuをランダムに導入した系の磁気励起を調べた。新しいESR線が見つかり,これは次のようなモデルでうまく説明されることが分かった。スピン1一次元ハイゼンベルグ反強磁性体の基底状態はvalence bond solidモデルでよく記述される。これにCuが入ると隣のNiの1/2スピンの一つづつが復活する。三つの弱く結合した1/2スピン系の励起スペクトルを計算したところ実験を定量的に説明することが出来た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 勝又 紘一: "Magnetic Excitations in the Disordered System Mg_<1-x>Co_xCl_2" Proc.“Relaxation in Complex Systems and Related Topics",ed.I.A.Campbell and C.Giovannella (Plenum,New York). 67-70 (1990)

  • [文献書誌] J.Tuchendler: "Electron Spin Resonance in the Diluted Uniaxial Antiferromagnet Mg_<1-x>Fe_xCl_2" Solid State Communications. 74. 1159-1163 (1990)

  • [文献書誌] 萩原 政幸: "Observation of S=1/2 Degrees of Freedom in an S=1 LinearーChain Heisenberg Antiferromagnet" Physical Review Letters. 65. 3181-3184 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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