研究課題/領域番号 |
01460059
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福西 浩 東北大学, 理学部, 教授 (90099937)
|
研究分担者 |
岡野 章一 東北大学, 理学部, 助教授 (10004483)
森岡 昭 東北大学, 理学部, 助教授 (50004479)
|
キーワード | オゾン / レ-ザ-ヘテロダイン分光 / 成層圏 / 波長可変半導体レ-ザ- / 赤外分光 / 大気微量成分 / 反転法 |
研究概要 |
1.本年度は半導体レ-ザ-ヘテロダイン分光計による大気観測を68日にわたり行いオゾン高度分布と全量についてのデ-タが得られた。1990年1月以降、観測スペクトルのS/Nの向上により観測可能高度の下限を、従来の10kmから、7kmまで下げることができた。 2.観測下限高度の低下により対流圏界面付近でのオゾン混合比の増加がしばしば観測されるようになった。これらの現象は対流圏界面のフォ-ルディングに沿う成層圏大気の対流圏への流入によって生じると考えられる。そこで35例のオゾン高度分布についてポテンシャル渦度との比較を行なった。解析では東経140度に沿った7観測点(父島、八丈島、館野、仙台、秋田、札幌、稚内)での気象ゾンデ観測による温度と風のデ-タからポテンシャル渦度の子午面断面を計算した。この解析の結果、 (1)個々の例については、低気圧通過後に対流圏界面のフォ-ルディングが発達し、高度10km付近にオゾン濃度の高い空気が入り込んでくること。および (2)35例の観測結果についての高度10kmから25kmまでのオゾン混合比とポテンシャル渦度の相関係数は0.944と高いことがわかった。また両者の比は0.90ppmv/10^<-5>m^2Kkg^<-1>s^<-1>となった。 3.今後オゾン観測をさらに継続するとともに、新たな局発レ-ザ-による大気微量成分の観測を行いレ-ザ-ヘテロダイン分光法による大気環境の計測をさらに進める予定である。
|