研究課題/領域番号 |
01460062
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
速水 格 東京大学, 理学部, 教授 (80037184)
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研究分担者 |
加瀬 友喜 国立科学博物館, 地学研究所・研究部, 研究官 (20124183)
大路 樹生 東京大学, 理学部, 助手 (50160487)
阿部 勝己 東京大学, 理学部, 助手 (80151091)
棚部 一成 東京大学, 理学部, 助教授 (20108640)
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キーワード | 無脊椎動物 / 深海 / 流体力学 / 初期発生 / 生きた化石 / 適応戦略 / 潜水観察 / 海底洞窟 |
研究概要 |
代表者・分担者はそれぞれ別個の無脊椎動物の分類群を研究の対象とするが、いずれも化石動物の進化を理解することを目的とし、互いに協力して野外および室内作業を行い、次の結果を得た。 1.中性代以降、浅海-半深海に生息するイタヤガイ上科二枚貝のいくつかのグル-プに水平飛行する適応戦略が平行的に発達したと考えられる。これらの現生標本・化石模型の流体力学的特性を工学部の船型水槽を使って実験的に求め、殻の翼性能の進化を考察した。 2.半深海に生息するワタゾコツキヒガイ科のモノグラフを作成するために、環太平洋各地の現在、化石資料につき進化分類学的検討を行った(研究続行中)。 3.軟体動物の浮遊幼生が遺伝子拡散・生物地理に果す役割を評価するため、浅海-半深海性の二枚貝数種の初期発生を走査型電子顕微鏡を用いて明らかにした。 4.オウムガイおよびアンモナイトの初期発生について比較生物学的検討を進めた。 5.貝形虫の一種の交尾行動をビデオ装置を使って解析し、雄の個体に見られる第1胸肢が肥大する意味を解釈した。 6.ウミユリの生態と生活史を明らかにするため、小笠原諸島沖で、「しんかい2000」による潜水観察を行うとともに、駿河湾で3回にわたり標本採集と飼育観察を行った。 7.沖縄の浅海の海底洞窟に「生きた化石」の好例となる腹足類および二枚貝を含む興味深い動物群が発見された。このことは、特に深海でなくても、特殊な環境には原始的形態をとどめる遺存種の生存が期待できることを示し、進化古生物学上重要である(研究続行中)。
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