研究課題/領域番号 |
01460072
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
生駒 俊明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80013118)
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研究分担者 |
栗原 由紀子 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90013200)
斎藤 敏夫 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90170513)
平川 一彦 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (10183097)
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キーワード | 集束イオンビ-ム / 量子細線 / 電子波干渉効果 / Al Ga As / 砒化ガリウム / 弱局在効果 / 低相緩和機構 / 電子-電子散乱 |
研究概要 |
近年半導体デバイスの微細化に伴い新しい物理現象が現れ、これを利用した新しい量子効果デバイスが提案・研究されている。超薄膜構造中の2次元電子ガスの物性はこの一つであり、多くの研究が積み重ねられている。超薄膜はMBE等の薄膜成長技術を用いているため、サイズの微小化が1次元に限られ、電子ガスとしては2次元にとどまる。さらに3次元的な微細化が可能となれば、電子ガスも1次元、0次元化され、新しい物性の出現が期待される。このような低次元物性をデバイスに応用するには、任意の形状の量子細線構造を作る技術を確立し、低次元性を制御性よく実現する手段を確保する必要がある。低次元電子系細性もそのような構造の中で研究することによって初めて理解が深められる。以上を踏まえ本研究では、 (1)半導体中の電子波長と同等の大きさの量子細線デバイス構造を制御性よく作成する集束イオンビ-ム打込み、加工技術の確立、 (2)上記を用いて作った様々な形状の量子細線中の電子輸送現象の解明、を目的とする。 我々は、Al Ga As/Ga As量子細線中の1次元弱局在効果の温度依存性、およびホットエレクトロン効果を系統的に調べることにより、ラャネル中の電子波の位相緩和機構を検討した。位相緩和時間τφは、温度の低下にしたがって増加するが、約3K以下では飽和した。3K以下でのτ_φの飽和の原因は、今後の検討課題である。T>3Kの領域での電子波の主な位相緩和機構は電子-電子散乱であり、フォノン散乱はエネルギ-緩和プロセスにおいてのみ有効であることが明らかになった。位相緩和機構の温度依存性、およびホットエレクトロン効果の検討により、電子波干渉トランジスタの動作限界を明らかにした。
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