研究課題/領域番号 |
01460076
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石川 順三 京都大学, 工学部, 教授 (80026278)
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研究分担者 |
高岡 義寛 京都大学, 工学部, 助教授 (90135525)
辻 博司 京都大学, 工学部, 助手 (20127103)
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キーワード | 大電流イオンビ-ム / 液体金属イオン源 / 含浸電極 / 多点放出 / 蒸着膜 / 結晶性 / 界面特性 |
研究概要 |
含浸電極型液体金属イオン源の大電流化及び薄膜形成とその評価に関する研究を行なった。結果として、4.6mAのゲルマニウムイオンビ-ムを得、また含浸電極型液体金属イオン源を用いた薄膜作製装置を開発し実際に薄膜形成とその評価を行なった。研究経過として、平成2年度では以下のような項目について研究を行なった。1)前年度に開発した8点放出用の多孔質タングステンチップを並列に設けたイオン源を開発し、引き出されるイオンビ-ムの大電流化を図った。2)大電流金属イオンビ-ムによる薄膜形成装置を製作し、実際に金のイオン源を用いて薄膜形成を行ない、その結晶性を評価した。3)さらに作製した薄膜の界面特性を評価する技術を確立した。得られた結果は以下のとおりである。 1.含浸電極型液体金属イオン源においては、前年度の研究結果として、8点同時放出型で4.2mAのゲルマニウムイオンビ-ムを得た。このチップをさらに複数同時に設置してより多くの点からイオンを放出できるイオン源を開発した。結果として、4.6mAのイオンビ-ムを引き出すことができた。得られた結果は、複数のチップを用いた場合も放出点数に比例したイオン電流を得ることができることを示した。 2.前年度に設計・製作した含浸電極型液体金属イオン源を用いたイオンビ-ム蒸着装置を用いて金薄膜の作製を行ない、蒸着装置としての基礎特性を評価するとともに、作製した金薄膜の評価を行なった。作製した薄膜の結晶性は(111)が優先配向することが明らかになった。 3.液体金属イオン源を用いて作製した薄膜の界面特性を定量的に評価するために、ラザフォ-ド後方散乱スペクトルを定量的に解析する技術を開発した。実際に、シリコン基板上の銅薄膜の基板と膜の界面の拡散を後方散乱スペクトルから定量化することができた。
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