研究課題/領域番号 |
01460080
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
藤原 裕文 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80001303)
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研究分担者 |
宮永 滋己 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (70182037)
中川 一夫 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10110636)
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キーワード | 2光波結合 / 飽和吸収 / 有機非線形光学材料 / 有機色素含有膜 |
研究概要 |
光情報処理の分野において画像の並列処理を行なうのに、2光束結合法は有望である。2光束結合とは、入力画像光と励起光の2光束を有機色素含有膜(ここでは主にエリトロシンB含有PVA膜使用)に交差させて照射して、2光束間にエネルギ-の授受を生じさせることである。ただし、2光束の形成する干渉縞と色素膜内に形成される格子(吸収型と屈折率型)に、干渉縞を移動させて横ずれを与える必要がある。 1.研究の方法。PZTを用いて入力画像光の角周波数を励起光のそれから-Ω(-1.5KHz〜+1.5KHz)ずらす。1n[Ωの透過した画像光/Ω=0の透過した画像光]のΩに対する対称成分と反対称成分に分離して測定した。前者は吸収型格子からの、後者は屈折率型格子からの寄与であると考えられる。励起光の強さ、色素膜の吸収係数・膜厚積や使用する光の波長(色素の吸収中心波長からのずれが重要である)を変えて実験した。理論的には3エネルギ-準位による飽和吸収モデルを用いた。 2.本研究で得た主な知見。 (1)使用波長が色素の吸収中心波長に近く、励起光強度が低い場合には、実験と理論の一致は良い。 (2)色素の吸収中心波長から外れるにつれて、対称成分は理論値(負の値)からはずれ、やがて正の値となる。これは本研究の目的には好ましい結果である。 (3)(1)、(2)から使用波長が色素の吸収中心波長からはずれると、色素の三重項T_1T_2間の遷移が強く影響していると考えられている。 3.今後の研究の展開。 (1)三重項遷移の理論的検討。 (2)光誘起異性化を示す色素の2光束結合による光増幅と減衰の検討。
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