研究概要 |
1.宇宙作業ロボットの制御法の検討 柔軟マニピュレ-タを持つ宇宙作業ロボットの制御のために『仮想剛体マニピュレ-タ』の概念を提案した.この概念を用いて,柔軟マニピュレ-タ先端の位置/姿勢の定置制御における安定性が保証される『拡張ロ-カルPD制御法』を導いた.また,マニピュレ-タの軌道制御に関して,拡張ロ-カルPD制御法の拡張,仮想剛体マニピュレ-タをもちいた分解加速度制御,さらに分解加速度制御に振動制御のための状態フィ-ドバック制御を組み合わせた制御法を提案し,制御性能の比較を行った.これらの制御法は宇宙用/地上用を問わず,柔軟マニピュレ-タの制御に有効である. 2.宇宙作業ロボットの地上模擬実験装置 宇宙作業ロボットの2次元浮遊型地上模擬実験システムを開発した.このシステムは以下の4つのサブシステムから構成される.(1)剛体2関節マニピュレ-タを持つロボットシステム,(2)ロボットシステムをエアベアリングにより2次元平面上にほとんど摩擦なく支持するエアテ-ブルシステム,(3)ロボットやタ-ゲットの位置/姿勢を計測するためのセンサ-システム,(4)ロボットの制御や信号処理のためのコンピュ-タシステム.これまで,開発したシステムの性能試験は終了し,剛体2関節マニピュレ-タを持つロボットの同定/制御実験が進行中である.また,柔軟マニピュレ-タの構成を検討中である.さらに,センサシステムの構成要素であるビデオトラッカ-のチャンネル増設を行ない,正常に動作することを確認した.これにより2リンクマニピュレ-タを持つ宇宙作業ロボットの位置/姿勢および捕捉対象物の位置が同時に計測できるようになった.
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