研究課題/領域番号 |
01460097
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
村田 良司 茨城大学, 工学部, 教授 (70201811)
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研究分担者 |
大島 郁也 茨城大学, 工学部, 助手 (80007632)
前川 克廣 茨城大学, 工学部, 助教授 (20126329)
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キーワード | プラズマ溶射 / セラミックスコ-テング / 金属切削加工 / 化学的活性 / 溶射被膜の密着度 / 複合加工 / 精密溶射 |
研究概要 |
本研究は切削加工直後の金属表面が化学的に活性であり、粗面度を調節でき、しかも100℃以上の表面温度を有する利点に着目し、これを利用してプラズマ溶射セラミックス被膜の密着性を向上させることを目的とし、切削加工とプラズマ溶射とを複合させた新たな加工技術の可能性を検討した。今年度は以下の知見等の成果を得た。 1.金属切削過程の有限要素シミュレ-ション解析を行い、とくに溶射を施すことになる仕上面温度の変化を、切削条件および切れ刃からの距離を変数として定量化し、最適な溶射位置を明らかにした。 2.切削工具の逃げ面に人工的な摩耗痕を付与すれば、仕上面温度を上昇させ、かつ工具振動を誘起して仕上面を粗面化できる。このような工夫が、溶射被膜の密着性の向上の観点から、有効であることを確認した。 3.切削直後の仕上面に溶射するためには、細く絞ったプラズマ流と少量の粉末を供給できる輸送装置が必要である。このために、とくに後者の粉末供給機構を改良し、粉末の無駄の少ない効率的な溶射法、および粉じんの影響の低減等の成果を得た。被膜の厚さも、1パス当り最大0.3mmが得られた。 4.炭素鋼丸棒の外周にアルミナの溶射を行った。被溶射物形状をJIS10号試験片とし、インストロン型万能試験機によって引張試験を行い、一定のひずみにおける溶射被膜の損傷状況および強さを調べた。その結果、本溶射法は、従来の前処理を別途に行う溶射法に比べて、セラミックスと金属の界面でのはく離がほとんど生じない、優れた方法であることが判明した。 5.JIS8666の密着性試験方法に基づいてアルミナ被膜の付着力を調べた結果、本溶射法は従来法に比べて10倍もの向上が得られた。
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