研究課題/領域番号 |
01460104
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
森脇 俊道 神戸大学, 工学部, 教授 (00031104)
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研究分担者 |
社本 英二 神戸大学, 工学部, 助手 (20216146)
奥田 孝一 神戸市立工業高等専門学校, 助教授 (50124061)
杉村 延宏 神戸大学, 工学部, 助教授 (80135813)
猪飼 靖 神戸大学, 工学部, 助教授 (40031108)
冨田 佳宏 神戸大学, 工学部, 教授 (10031147)
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キーワード | 超精密超微小切削 / ダイヤモンド工具 / 単結晶 / 剛塑性有限要素法 / シュミット因子 / 工具刃先丸み |
研究概要 |
本年度は、超精密超微小切削機構の解明を目的として、超精密切削加工機を用いて単結晶銅の超微小切削実験を行い、切込みがナノメ-タレベルに至る超微小切削プロセスの基本特性を実験的に明らかにするとともに、剛塑性有限要素法による微小切削過程のシミュレ-ションを行った。その結果次のような成果を得た。 1.単結晶銅の超精密2次元切削実験を行った結果、切込み1μm以上の切削においては、切りくず生成、切削力、仕上げ面性状などに対する結晶の方位の影響が顕著に現れるのに対して、切込みがサブミクロンオ-ダになるとその影響がほとんど見られなくなった。切りくず、被削材と工具のすくい面、逃げ面との接触長さ及び切削力の測定から、工具の刃先丸み半径に近い切込み条件では、仕上げ面の加工変質の状態あるいは刃先部での被削材の変形挙動(主としてバニシングあるいはラッピング作用)が重要な役割を果たし、結晶異方性の影響を少なくしていると言える。 2.最大塑性仕事の原理を用いて、シュミットの法則による単結晶材料の降伏条件を剛塑性有限要素解析に導入することができた。提案した手法を用いて銅単結晶材料の切削プロセスの解析を行い、切りくず形状、せん断角、切削力について、2次元微小切削実験と比較した結果、これらの項目について定性的な一致が見られた。 3.工具刃先丸みを考慮した被削材の初期モデルを、流線に沿って修正することにより、定常切削状態のモデルを決定する手法を提案した。提案した手法を用いて解析を行った結果、切削比、被切削低抗などの点で実験値とよい一致がみられ、切込みに対して工具丸み半径が大きくなると、切削比が小さくなり見かけ上の比切削抵抗が大きくなること、せん断域が拡大すことなどが明かとなった。
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