初年度の設備としてエンジニアリングワ-クステ-ション(アポロコンピュ-タDN3500)を購入し、Common LISPとFortran77を使用して、既存知識デ-タベ-スの作成、トラブルデ-タベ-スの構築、実加工ブ-タベ-スの作成、及びインタ-フェ-ス部の開発を行なった。研削加工の定性的知識や勘及び経験等の知識を効果的に取り扱うためにフレ-ムシステムとプロダクションシステムを含むハイブリッドモデルを採用し、オブジェクト指向型システムの設計を行なった。それに加えて、研削加工のあいまいな知識に対応するため、デフォルト理論、ファジィ-理論を取り入れた。開発した研削加工用エキスバ-トシステムは研削加工中に発生する研削トラブルをも考慮して研削加工条件を決定するように構築した。また、研削加工は加工条件が多様であり、加工デ-タとして公表されているものと実際の研削結果が適合しないことが多く、研削デ-タのばらつきが大きい。そのため、既存知識だけから正確でしかも十分な知識を得ることが困難である。従って、このような研削加工デ-タはファジィ-可能線形モデルを応用した実験式の定係数の値として実加工デ-タベ-スに蓄積することによって効果的な知識管理が可能になるように作成した。 なお、この間に実験を通して得られた新たな知見は、研削主軸動力の監視がトラブルの検出に対して極めて有効な情報を提供するという事実である。そして、動力をもとに研削状態のパタ-ン認識を行なう際に必要となるパラメ-タの選定を行なった。
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