研究課題/領域番号 |
01460110
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 洋一郎 東京大学, 工学部, 助教授 (60111473)
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研究分担者 |
田中 和博 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (80171742)
市川 保正 東京大学, 工学部, 助手 (40134473)
川田 達雄 東京大学, 工学部, 助手 (00010851)
大橋 秀雄 東京大学, 工学部, 教授 (90010678)
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キーワード | 液膜流れ / 回転円盤 / 回転塗布法 / 薄膜形成 / 熱・物質移動 / 相変化 / 厚さ計測 / 可視化 |
研究概要 |
回転円盤上の薄膜形成過程を解析するため、本年度は実験装置及びその測定系の整備を行った。すなわち、回転速度を自在に制御でき、回転円盤面のぶれをサブミクロンに抑えたスピンコ-タ及び後に述べる膜厚測定系を構成した。 PMMA(ポリメチルメタクリル酸)をクロロベンゼンで希釈した高分子溶液を塗布溶液に用い、クロロベンゼンの蒸発によりPMMAの薄膜を円盤上に形成する実験を行った。実験は以下に述べる4種類である。1.半導体用シリコンウェハにスピンコ-トを用いて薄膜を形成し、その最終的な厚さをエリプソメ-タを用いて測定した。パラメ-タは円盤の回転速度及び滴下溶液の初期濃度である。最終膜厚は、厚さ1μm以上の範囲ではこれらパラメ-タとの間に比較的単純な相関を持つが、さらに薄い膜の場合はこれらの関係が予測する値より大きい膜厚値を示し、このずれは溶質分子の大きさに正の相関をもつことが明らかとなった。2.レ-ザ式変位計を用いて薄膜形成過程における過渡膜厚を測定した。以上の2種類の実験条件に対しては、前年度までに開発・整備した数値解析手法を用いて数値解析を行い、その結果を実験結果と比較・検討した。結果は良好に一致し、数値解析手法の妥当性が証明された。3.アルゴンイオンレ-ザを用いてシャドウグラフ法により回転円盤上に形成された液膜流れの可視化を行い、溶液滴下後において存在する液膜の表面波がその初期過程で消滅し、その後は厚さがほぼ一様な液膜流れとなることを確認した。4.アルゴンイオンレ-ザを用いてマッハツェンダ干渉計を製作し、液膜流れの厚さ分布を計測した。その結果、形成される薄膜の厚さ分布が大きくなく、液膜全体についてほぼ均一な厚さと見なせることを明らかにした。
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