研究課題/領域番号 |
01460110
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 洋一郎 東京大学, 工学部, 助教授 (60111473)
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研究分担者 |
田中 和博 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (80171742)
市川 保正 東京大学, 工学部, 助手 (40134473)
川田 達雄 東京大学, 工学部, 助手 (00010851)
大橋 秀雄 東京大学, 工学部, 教授 (90010678)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 液膜流れ / 回転円盤 / 回転塗布法 / 薄膜形成 / 熱物質移動 / 相変化 / 厚さ計測 / 数値解析 |
研究概要 |
回転円盤上に溶質を揮発性の溶媒で希釈した溶液を滴下し、遠心力に起因する液膜流れを形成し、溶媒の蒸発により乾いた薄膜を円盤上に残留させる現象について、理論、実験の両面より研究を進めた。まず、理論解析に関して述べる。回転円盤上の液膜流れに関して、溶媒の蒸発等熱・物質移動を考慮した軸対称二次元の数値解析を、液膜とその上方の雰囲気の気液各相に対して行った。この結果、速度、濃度等各変数について半径方向の相似解が成り立つことが明らかになった。この相似解を用いて、一次元数値解析モデルを構成した。このモデルは、気液各相に対してその濃度・温度依存の物性値を与えることにより、スピンコ-ティングの初期過程より円盤上に乾いた薄膜が形成されるまでの全過程を解析することができる。これにより、過程中の半径方向流動や溶媒の蒸発の挙動、液膜における濃度上昇の様子、円盤の回転速度や滴下溶媒の初期濃度がプロセス及び形成される液膜に与える影響等について、詳細を明らかにした。次に実験による解析について述べる。スピンコ-タを製作し、以下の4種の実験を行った。すなわち、1.半導体用シリコンウェハにスピンコ-トを用いて薄膜を形成し、その最終的な厚さをエリプソメ-タを用いて測定した。 2.レ-ザ式変位計を用いて、プロセス中の過渡膜厚を測定した。以上2種の実験に対しては、上に述ベた手法を用いて数値解析を行い、その結果と比較・検討した。結果は良好に一致し、数値解析手法の妥当性が証明された。 3.アルゴンイオンレ-ザを用いてシャドウグラフ法により液膜流れの可視化を行い、液膜の表面波がその初期過程で消減し、その後は厚さがほぼ一様な液膜流れとなることを確認した。 4.アルゴンイオンレ-ザを用いてマッハツェンダ干渉計を製作し、液膜流れの厚さ分布を計測した。その結果、形成される液膜全体についてほぼ均一な厚さをもっと見なせることを明らかにした。
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