研究課題/領域番号 |
01460111
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒川 忠一 東京大学, 工学部, 助教授 (30134472)
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研究分担者 |
鈴木 正己 東京大学, 工学部, 助手 (30171250)
岡本 恒 東京大学, 工学部, 助手 (70011153)
藤井 孝蔵 宇宙科学研究所, 助教授 (50209003)
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キーワード | 数値流体力学 / 乱流計算 / 近似因子分解法 / TVDスキ-ム / 二方程式流モデル / フランシス水車 / ATPプロペラ |
研究概要 |
近似因子分解法の効率的な陰的解法によって、圧縮性流れのATP(Advanced Turbo-Prop)プロペラのナビエ・スト-クス解法を完成させ、これを擬似圧縮性の手法を利用してフランシス水車へ応用した。ATPプロペラの計算は、二方程式の低レイノルズ数乱流モデルを利用して、壁面付近に多数の格子点を配置するため、総数30万点の大規模計算になるが、フランシス水車の計算では高レイノルズ数モデルの採用により格子数3万に減少させ、EWSに計算にも耐えられるようにすることを目標にした。 擬似圧縮性解法では、二次元翼などの基礎的な流れで圧力を伝播速度を決めるパラメ-タを決定し、フランシス水車流れの非粘性解析(オイラ-解析)を実行した。速度・圧力分布や水車の性能を予測した結果、ロ-ザンヌ工科大学にて行なわれたGAMNワ-クショップの実験デ-タと、定量的にも一致する結果を得た。計算時間はEWSのTitanで約6時間と、他の手法に比べて大幅に計算時間を短縮することに成功している。 高レイノルズ数モデルを導入した乱流計算では、羽根車の前縁付近の層流や遷移といった現象を表現できないため、数値計算の安定性を損なうことがある。TVD手法によって必要最小限の数値粘性を与えているものの、乱流モデルの適用範囲を越えているため、その矛盾から計算の発散を誘引する。この対策として、前縁近傍において、平板乱流境界層の実験式を強制的に与えるといった手法を検討中である。
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