1.実験装置の作成 本実験装置は、試験部、水循環系、冷却空気循環系、および冷却液循環系より構成されている。試験部は長さ1000mmの二重円管構造とし、内管に外径67mm、内径64mmのパイレックスガラス管、外管に外径135mm、内径125mmのアクリル製円管を用いた。さらに、管内の凍結挙動を観察できるよう、冷却済にエチレングリコ-ル液を使用した。管壁温度が一定となるように、5箇所のブライン噴出口から内管の接線方向にブラインを噴出させた。冷却面、空気、および水の温度測定のために、内管の内側および外管に管軸方向に5箇所、周方向に4箇所、試験管入口および出口にそれぞれ2箇所、計44箇所にクロメル・アルメル熱電対(0.1mm)を取りつけた。管内の水位の設定は、前方に設置したせきにより行った。 2.実験結果の概要 (1)円管内の閉そく領域、非閉そく領域は以下の式より求まる。 H=16mm閉そくθc/Rew^<0.35>>2.09×10^<-1>非閉そくθc/Rew^<0.35><2.09×10^<-1> (2)閉そく領域における管内氷層成長挙動は、流水と空気の流量および水位が大なるほど管上部氷層の成長が早く、このため下部氷層厚さは時間とともに減少する。 (3)管内閉そく開始時刻は次式によって予測できることがわかった。 Fe=1.85Rew^<0.142>Rea^<-0.03>θc^<-1.01>(H/D)^<1.31> (4)非閉そく領域の水-氷層間の熱伝達率は、水流量が大なるほど、また冷却温度比および水位が小なるほど増大する。 (5)円管内気液成層流における氷層面上のステップより上流側の平均熱伝達率は、次の実験整理式により表示できる。 Num=2.26×10^<-1>Rew^<0.80>Rea^<-0.03>θc^<-0.788>(H/D)^<0.331> (6)空気流速の効果は予期以上に小さいことがわかった。重要な点である。
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