研究概要 |
1.環流型気・液流路の改良 内径φ60mm,外径φ135mmの環状二重断面を有する気・液管路の壁面を等温壁にするため、環状二重断面に注入するブラインの噴出口を2倍に増やす改良作業を行なった. 2.凍結閉塞開始時刻に及ぼす各因子の効果の検討 凍結閉塞現象を支配する因子として、管内水流速、管内空気流速、管内水温度、管内空気温度、管内水位、および冷却壁温が影響することが明らかになったので、これらの因子を種々変化させて、凍結開始から閉塞開始にいたるまでの時間について詳細に検討した.その結果、水流速のレイノルズ数Rew,空気流速のレイノルズ数Rea,冷却壁温と流入水温の比(無次元冷却温度比)、および無次元管内水位の関数により、凍結閉塞時間(フ-リエ数)が表示できることが明らかになった. 3.凍結閉塞発生のメカニズム 多くの因子に対し、凍結閉塞へ進行する条件について実験的検討を行なった結果、θ_c/Rew^<0.35>>0.192の条件で閉塞が発生することがわかった.閉塞のメカニズムは、(1)先ず液が接触している管壁面に氷層が発生し成長する.(2)それに伴い水位が上昇する.(3)冷却開始端よりある距離のところに、氷層が急激に薄くなるステップが発生する.(4)その影響を受け気液界面にリップルが生じ、液滴となって上部壁面に凍着する.(5)上壁部の氷層が急速で成長する、という現象で生ずることがわかった. 4.成層をなす管内静止流体の凍結挙動 水流が、何かの事態で静止した場合の凍結挙動について検討した.管壁温が低下するにつれて、静止流体内に密度逆転の効果による非常に複雑な流れおよび熱伝達が生ずることを見出した.また、静止流体は、凍結温度以下まで冷却され、突然樹枝状氷が発生することがわかった.
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