研究概要 |
1.実験装置の改良 水平冷却円管内に設置されたオリフイスが,円管内を流動する水の凍結熱伝達現象に及ぼす効果について実験的に検討するため,管内の凍結閉塞防除機能としてオリフイスなど突起物の効果を検討するため,実験装置を大幅に改良した.供試冷却円管として,直径29.0mm,41.5mm,および62.9mmの銅管を使用し,管壁温度をθ_w=ー5℃からー15℃,流入水流速をU_w=0.10m/sから0.4m/s,流入水温をθ_<in>=0.5℃から3℃まで変化させ実験を行った.なお,試験部入口部に取りつけたオリフイス径は,d/D=1からd/D=1/4まで変化させた. 2.氷層形状に及ぼすオリフイスの効果 冷却管入口に設置した凍結閉塞防除機能としてのオリフイスを各直径比に対して検討した.大きな菅の場合には,オリフイス直径比が小さくなると,管内に生成する氷層の第1ステップが上流側へ移動する傾向があることがわかった.また,小さな管(D=29.0mm)の場合には,管内に発生するステップの数が増加することが明らかになった. 3.閉塞発生時間に及ぼすオリフイスの効果 実験開始より,管内に発達した氷層により水が流れなくなる(閉塞)までの時間(閉塞時間)に及ぼすオリフイス直径比の効果につき検討した.オリフイスの存在により,閉塞時間は一般に増加するが,d/D=1/2の場合に極大値を示すという,非常に興味ある事実を見出した.これは工学的に重要な事実である.d/D<1/2の範囲における減少割合は小さい. 4.閉塞時間に関する無次元整理 この物理量に関与する因子として,フ-リエ数F_。レイノルズ数R_e,オリフイス管径比d/D,および冷却温度比θ_cを導き出し,これらの関係式を実測値より導くことが出来た.F_o〜R_e^<0.75>・θ_c^<ー1.13>なる関係を見出した。
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