研究概要 |
1.成層をなす管内静止流体の場合 水流が何かの事情で静止している場合,以下のことが明らかになった。(1)管壁面冷却開始後,冷却された水は壁面に沿って下降する流れを発生させる.その後,水の密度逆転によって対流は壁面に沿う上昇流となる.(2)冷却速度が大なるほど,局所ヌセルト数が極小値をとる時間,および樹技状氷が発生する時間が早くなる.(3)空気側の局所ヌセルト数は,冷却速度の減少とともに,また水位の減少とともにいくぶん増加する.(4)円管流体の気液界面端部より成長する樹枝状氷の分布状態は,冷却速度によって変化し,三種類の氷性状を示す領域と樹枝状氷が発生しない領域に区別される.(5)空気側の局所熱流束の値は,冷却速度と共に増える. 2.気・液成層流の場合 円管内気・液成層の凍結に関しては,以下のことが明らかになった.(1)円管内の閉そく領域 非閉そく領域は,H=16mm(水位高さ)の場合θ@_<c@>/Re@_<w@> @^<0.35@>〓2.09×10@^<ー1@>,H=32mmの場合,θ@_<c@>/Re@_<w@> @^<0.35@>〓1.92×10@^<ー1@>,H=48mmの場合,θ@_<c@>/Re@_<w@> @^<0.35@>〓1.01×10@^<ー1@>で区分できる.(2)閉そく領域における管内氷層成長挙動は,流水と空気の流量および水位が大なるほど管上部氷層の成長が早く,下部氷層厚さは時間とともに減少する.(3)内閉そく開始時刻は次式によって予測できる.F@_<o@>=1.85Re@_<w@> @^<0.142@>Re@_<a@> @^<ー0.03@>θ@_<c@> @^<ー1.01@>(H/D)@^<1.31@> 3.凍結閉塞防除機能(オリフイス)に関する検討 (1)オリフイスの存在により閉塞までの時間は長くなる.この閉塞までの時間には,管径とオリフイス径の直径比が大きな影響を与え,特に1/2の場合,閉塞にいたる時間が極大となる.(2)オリフイス直後の氷層形状は,3/4以下の直径比の場合凹状になり,氷層の厚さも薄くなる.(3)流速が大なるほど,オリフイス直後の氷層は薄くなり,また氷層第1ステップは上流側へ移動する.(4)冷却管径が小なるほど,閉塞発生が早い.
|