研究課題/領域番号 |
01460121
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
河村 洋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80204783)
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研究分担者 |
関 昌宏 日本原子力研究所, 核融合計画室, 室長
稲垣 詠一 東京理科大学, 理工学部, 助手 (70112894)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | プラズマディスラプション / 金属溶融再凝固 / 溶融層表面変形 / 表面張力流 / マランゴニ効果 / 数値解析 / 並列演算 / トランスピュ-タ |
研究概要 |
トカマク核融合炉の第一壁は、プラズマのディスラプションの発生により、短時間に非常に高い熱負荷を受け、溶融・蒸発・凝固現象を伴うために損傷する可能性が大きい。これは核融合炉を設計する上で重要な問題とされている。そこで本研究では、急速に高熱負荷で加熱される金属壁について、実験及び数値解析によってその溶融・再凝固の挙動を研究することを目的とする。実験においては、まず厚さの薄い低融点金属を片面からの強加熱によって溶融させる模擬実験を行ない、溶融層の流動による大きな凹凸を観察した。また、高熱負荷急速加熱実験においては、種々の金属試験片を加熱・溶融させ、溶融深さを測定した結果、再凝固時の表面形状は金属の種類やステンレス鋼の組成によって異なるが、いずれも溶融層の移動が生じ凹凸表面となることを示した。数値解析においては、薄い溶融層に対して、表面張力流による自由表面形状の時間的変化を、二次元非定常問題として数値解析した。その結果、瞬時に高熱負荷を加えた場合、溶融層表面に大きな温度勾配がつくために、マランゴニ効果による表面張力流が生じ、溶融層厚さが薄い程、凹凸が顕著になる傾向が示され、模擬実験の結果が再現された。また、このときの表面形状の違いは表面張力の温度勾配の正負に依存することを示した。数値解析手法については、並列演算による計算の高速化について検討した。熱伝導及び流れ場について、良好な効率で計算の高速化を実現し、演算素子相互間の通信の最適化方法、並列演算効率の予測定式等を得た。以上、高熱負荷急速加熱時の金属壁の溶融・再凝固について検討し、とくに表面での温度勾配が大きくかつ溶融層が薄に場合に表面に大きな凹凸が生ずるとの知見を得た。プラズマディスラプション時における金属表面の溶融はこの典型的な例であり、第一壁の耐用性評価時に、これを十分考慮すべきことを示した。
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