研究課題/領域番号 |
01460131
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 吉繁 大阪大学, 工学部, 教授 (70029015)
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研究分担者 |
三谷 康範 大阪大学, 工学部, 助手 (10192759)
辻 毅一郎 大阪大学, 工学部, 教授 (30029342)
山本 純也 核融合科学研究所, 教授 (00029208)
白藤 純嗣 大阪大学, 工学部, 教授 (70029065)
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キーワード | 極低温パワ-エレクトロニクス / 電力変換器の低損失化 / 超伝導マグネット / 半導体の極低温特性 / 電力変換器の冷却方法 |
研究概要 |
この研究は、大電流・低電圧の直流が流れる超伝導マグネットと、低電流・高電圧の交流が流れる電力系統との間のインタ-フェイスをつかさどる電力変換器を超伝導マグネットと同じ極低温領域で動作させ、低損失の電力変換を行う技術、すなわち極低温パワ-エレクトロニクスの開発を目指している。 本年度は昨年度に引き続いて多数キャリア型半導体デバイスであるMOSFETの極低温特性ならびに極低温動作電力変換器の構成に関する研究を行った。得られた結果は以下で要約される。 (1)MOSFETは約40K以下の動作温度になるとドレイン電圧・電流特性において、あるしきい電圧より電流が流れ始める現象が以前より観測されていたが、これが電子なだれによるものであることが実験結果より判明した。 (2)パワ-MOSFETでは、内部ダイオ-ドの高速化のためにキャリアのライフタイムコントロ-ルを行うことが多い。そのために白金などの重金属のド-ピングや電子線照射などが行われるが、このうち電子線照射は重金属のド-ピングに比べて低温での特性劣化を引き起こさない。このことを実験により確かめた。 (3)極低温で動作させる電力変換器の冷却法として、蒸発ガスヘリウムによる冷却だけでは十分でなく運転とともに素子の温度上昇を引き起こす。そこで、蒸発ガスヘリウムによる冷却の他に液体ヘリウムからの熱伝導による冷却を併用する方式(液体・ガスヘリウム併用冷却方式)ならびにデュワ-内に別途液体窒素槽を設け、その中に変換器を置く方式(液体窒素浸漬冷却方式)を考案し、実験装置を設計・製作し、両方式の比較検討を行った。その結果、ヘリウムや窒素の蒸発量と変換器の電力損失とを合計したシステム全体の損失は液体窒素冷却方式の方が優れていることがわかった。
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