研究課題/領域番号 |
01460135
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅野 卓雄 東京大学, 工学部, 教授 (50010707)
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研究分担者 |
新井 夫差子 東京大学, 工学部, 講師 (10010927)
浅田 邦博 東京大学, 工学部, 助教授 (70142239)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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キーワード | インゾウムリン / 電界効果トランジスタ / 光堆積法 / ゲ-ト絶縁膜 / 応力 / 表面再結合速度 / レ-ザラマン分光 |
研究概要 |
前年度までに、比較的良好な特性をもつInP MISFETの試作に成功したので、今年度は実用化に向けて一層の特性改善をはかるために、FETに用いる絶縁膜の種類、作製プロセスでの諸条件によるInP表面の特性の変化を検討した。 評価の手法としては、評価のための電極形成等により特性が変化することを避けるために、レ-ザラマン分光法とフォトルミネセンス法の光学的手法を用いた。 まず、レ-ザラマン分光法により測定されるフォノンの波数シフトからは、半導体に蓄積した応力の評価が可能であることを利用し、InP上にSiO_2、Si_3N_4またはPN膜を形成した場合のInP中の応力を評価した。 その結果、SiO_2またはSi_3N_4膜を形成した場合には、InP中に10^9dyn/cm^2オ-ダ-の引張応力が発生するのに対し、光CVD法でPN膜を形成した場合は、InP中の応力は検出限界以下であることが明らかになった。 次に、レ-ザラマン分光法で測定されるLOフォノンープラズモン結合モ-ドの解析により、InP表面の表面再結合速度を評価した。その結果、SiO_2またはSi_3N_4膜を形成した場合は、InPの表面再結合速度は10^5cm/sec以上で、特に改善はされないのに対し、表面をいわゆる硫黄処理した後150℃程度の低温で光CVD法によりPN膜を形成すると、InPの表面再結合速度は、1〜2×10^4cm/sec程度まで改善されることが明らかになった。これらとほぼ同様の結論はフォトルミネセンス法によっても得られた。さらに、これらの結果は前年度までに行ったCーV特性に基づいて求めたPN膜の良好な堆積条件とも一致しており、今後PN膜を用いたInP MISFETの最適作製条件を明らかにする上で、重要な指針が得られた。
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