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1989 年度 実績報告書

全合成純粋石英ガラスにおける散乱損失、特に脈理の原因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01460143
研究機関早稲田大学

研究代表者

大木 義路  早稲田大学, 理工学部, 教授 (70103611)

研究分担者 長沢 可也  相模工業大学, 工学部, 講師 (20180474)
浜 義昌  早稲田大学, 理工学研究所, 教授 (40063680)
キーワード石英ガラス / 光ファイバ- / レ-リ-散乱 / 脈理 / 構造欠陥
研究概要

全合成純粋石英ガラスにおける脈理、すなわち屈折率差を生じる原因は密度の揺らぎであると考えられ、これは原子レベルでみれば異常な結合状態(例えばSiーSi、SiーCiなど)を生じている可能性が高いと考えた。平成元年度では脈理と異常結合や不純物との関係を明らかにすべく研究を行った。その結果、まず光ファイバ母材には製造法に依存して酸素の過不足が生じるが、この過不足が母材の径方向に空間分布を有することが明らかになった。この結果として、例えばス-ト法で作成した試料では外周部において中心部よりも5.0eVと7.6eVの光吸収が大きく、2.7eVと4.4eVの光ルミネッセンスも大きく現れること、プラズマ法で作成した試料においては、上と反対の傾向が見られることなどについて、合理的な説明が与えられた。また酸素の過不足のみならず、不純物のOH基や塩素も径方向分布を有することが明らかになった(Journal of Applied Physics:掲載決定)。さらに、ガラスに垂直に直線偏光を入射した際、その直線偏光がどの様に変化するかを調べた結果、直線偏光は散乱され、酸素不足(SiーSi結合)が多く存在している部分においてより強く散乱することが判明した。また、このこととレ-リ-散乱との関係を示唆する事実も得られたが、未だ系統的にまとめるには至らなかった。これらの成果と反省をふまえて平成2年度には、別項の研究を進めて行くことによって、脈理による光散乱損失の原因を分子構造、さらには電子、原子配置のレベルで解明できると期待される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Ryoichi Tohmon: "Spatial distribution of defects in highーpurity silica glasses" Journal of Applied Physics. (1990)

  • [文献書誌] Hiroyuki Nishikawa: "Generation mechanism of photoinduced paramagnetic centers from preーexisting precursors in highーpurity silicas" Physical Review B. (1990)

  • [文献書誌] Ryoichi Tohmon: "Tripletーstate defect i highーpurity silica glass" Physical Review B. (1990)

  • [文献書誌] Ryoichi Tohmon: "Defects induced by ion beam irrdiation in silica glass" Journal of Applied Physics.

  • [文献書誌] Yasushi Shimogaichi: "Defects induced by low temperature Xーirradiation in highーpurity silica glass" Physical Review B.

  • [文献書誌] Yasushi Shimogaichi: "Form of hydroxyls incorporated into highーpurity silica" Journal of Applied Physics.

  • [文献書誌] Yukihiro Yokomachi: "Possible relation between point defects and light scattering in highーpurity silica glass" Applied Physics Letters.

  • [文献書誌] Shuji Munekuni: "Various typs of nonーbridging oxygen hole center in highーpurity silica glass" Journal of Applied Physics.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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