研究課題/領域番号 |
01460147
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古賀 利郎 九州大学, 工学部, 教授 (00037706)
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研究分担者 |
宮崎 明雄 九州大学, 工学部, 助手 (70192763)
栖原 淑郎 九州大学, 工学部, 助手 (80187799)
元石 浩二 九州大学, 工学部, 助教授 (00038118)
香田 徹 九州大学, 工学部, 助教授 (20038102)
西 哲生 九州大学, 工学部, 教授 (40037908)
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キーワード | 信号処理 / 2次元ARMAモデル / 2次元巡回形ディジタルフィルタ / 非定常確率過程 / パワ-スペクトルの零点の推定 / パルス性ノイズの平滑化 / 画像の予測誤差 |
研究概要 |
画像を離散的画素の空間的系列と見ると一般に非定常であり、かつ確率過程のモデルとしては2次元ARMA過程によって表現することが必要である。平成元年度の研究においては、(1)まず2次元ARMAモデルの表現と密接に関係する2次元巡回形ディジタル・フィルタの新しい設計法を提案した。従来開発されている方法は安定性を十分に保証するものではなく、この問題の解決は欧米諸国を含め十数年来の懸案であったが、それを解決することができた。(2)次にAR過程の表現において重要なユ-ル・ウォ-カの方程式の求解アルゴリズムの収束性とパワ-スペクトルの零点の分布との関係を明らかにし、信号のデ-タから零点を推定する実際的でかつ効果的な方法を見出した。(3)また、上記の零点を分離する効率的なアルゴリズムを回路理論的立場から導いた。(4)さらに,非定常過程におけるパルス性ノイズの除去に関する新しい手法の提案を行った。かつ、シミュレ-ションによってこの手法の有効性を確かめた。(5)また、画像における「ごま塩」型のパルス性ノイズのモデリングを行い、それを平滑化するためのアルゴリズムを与えた。(6)画像処理を効率的に行うための情報理論的基礎として画像の予測誤差の統計的分布を知ることが必要となる。この誤差は従来ラプラス分布になるとの報告があるが、種々の画像について多数の実験デ-タを求め計算機による統計処理の結果および予測誤差に関する確率論的考察を行った結果、統計的分布に関する新しい知見を得ることができた。この結果は画像の高能率符号化の研究に有効に役立つものと考えられる。
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