超並列自律型非同期マルチプロセッサシステムとニュ-ラルネットワ-クの研究

1991 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 01460152
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 雨宮 真人 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90202697)
• 研究分担者: 日下部 茂 九州大学大学院, 総合理工学研究科, 助手 (70234416) ; 鶴田 直之 九州大学大学院, 総合理工学研究科, 助手 (60227478) ; 谷口 倫一郎 九州大学大学院, 総合理工学研究科, 助教授 (20136550)
• キーワード: 超並列マルチプロセッサ / デ-タフロ- / 自律型非同期 / ニュ-ラルネットワ-ク / 画像処理 / 画像理解 / 信号処理

研究概要

本研究では、デ-タ駆動実行原理に基づき、非同期かつ自律的に動作する多数のプロセッサを結合させた超並列計算機システムの構成方法を明らかにし、このシステムを用いた高速ニュ-ラルネットワ-クシステムの実現法を明らかにする。プロセッサは、信号処理、数値演算を主目的としたデ-タ駆動型プロセッサで性能は10MIPS程度とする。本システムは、10^5程度のプロセッサをメッシュ結合のパケット転送型ネットワ-クで結合した非同期型マルチプロセッサシステムである。また、大規模な応用システムのソフトウエア生産体を高め、本システムにおける高速実行を可能にするため、デ-タフロ-概念に基づいた記述言語を開発する。
本年度は、以下の項目について重点的に研究を進めた。
1.プロセッサのより詳細な設計を行ない、その設計にしたがってソフトウエア・シミュレ-ション環境を整備し、具体的かつ大規模な応用例題に対する評価を行なった。
2.関数型言語の枠組で構成した記述言語体系にオブジェクト指向プログラミングの概念を融合した。これにより、ソフトウエア生産性が向上し、大規模システムの記述が容易になった。
3.画像理解に対する伝統的手法およびニュ-ラルネットワ-クを用いた手法のアルゴリズムを超並列処理の観点から再検討し、本システムの性能を最大限に引き出すための並列処理アルゴリズムを明らかにした。

研究成果

• [文献書誌] 山元 規靖: "画像処理用並列プロセッサAMPのプログラミングと性能評価について" 情報処理学会論文誌. 32巻7号. 933-940 (1991)
• [文献書誌] Rinーichiro Taniguchi: "ValidーA:Parallel Functional Language for Image Processing ーA programming language of AMP(Autonomus MultiーProcessor)ー" Proc.of 7th Scandinavian Conf.on Image Analysis. 1. 1178-1187 (1991)
• [文献書誌] 渡辺 直一郎: "超並列プロセッサAMPにおけるニュ-ラルネットワ-クの性能評価" 情報処理学会第43回前期全国大会. 6. 107-108 (1991)
• [文献書誌] 鶴田 直之: "オブジェクト指向によるニュ-ラルネットワ-クの記述" 計測自動制御学会 第3回自律分散システムシンポジウム. 1. 113-118 (1992)
• [文献書誌] 古賀 靖信: "PDPモデルに基づく画像理解システム:ICE System(Image CEntered Systemp)" 情報処理学会第44回前期全国大会. 2. 103-104 (1992)
• [文献書誌] 鶴田 直之: "ニュ-ラルネットワ-クを用いたエッジ検出のスケ-ル自動調整" 情報処理学会第44回前期全国大会. 2. 105-106 (1992)
• [文献書誌] 松尾 仰志: "画像処理用超並列プロセッサAMPにおける図形認識法とその評価" 情報処理学会第44回前期全国大会. 2. 255-256 (1992)
• [文献書誌] 山元 規靖: "画像処理用超並列プロセッサAMPのプログラミング言語ValidーAの拡張について" 情報処理学会第44回前期全国大会. 5. 63-64 (1992)
• [文献書誌] 趙 栄文: "超並列画像処理プロセッサAMPにおけるSimplified Stream Bufferの実現" 情報処理学会第44回前期全国大会. 6. 123-124 (1992)