研究概要 |
1.音声生成系における声門の2次元物理形状モデルを設定し,声門での非定常粘性流れの有限要素解析を行った。ス-パ-コンピュ-タでの演算に適したプログラム開発や,計算結果のビジュアルな表示のためのワ-クステ-ション利用のプログラム開発を行い,有用なソフト体系を構成した。声門形状によって,流れのパタ-ンが異なる事や,乱流の発生する事実を明らかにした。特に,声門より下流での渦の発生は,声門の狭めの形状や仮声帯との相対的位置により大きく依存することが確められた。有限要素法によるシミュレ-ション結果のデ-タを基として,声門形状における声門インピ-ダンスを算出し,声門の等価回路モデルの構成法を明らかにした。 2.調音状態の異なる場合の口腔部レプリカの作成により,口腔部の3次元形状を調査した。また,口腔部の3次元形状をコンピュ-タ内で表現するための種々のソフトウェアを開発した。3次元形状が与えられた時,これを有限要素に分割するための自動分割アルゴリズムの検討を行い,プログラム開発を行った。これにより複雑な断面をもつ口腔部の有限要素分割を可能とした。
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