研究課題/領域番号 |
01460162
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩井 壮介 京都大学, 工学部, 教授 (70025881)
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研究分担者 |
椹木 哲夫 京都大学, 工学部, 助手 (10187304)
片井 修 京都大学, 工学部, 助教授 (50089124)
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キーワード | 知識情報処理 / 事例学習 / スキ-マ / 知識の抽象階層構造 / 不完全・非整合情報の処理 / 順序構造 |
研究概要 |
現実世界での具体的・表層的事実に関する情報から、その背後に潜在する問題の深層構造を抽出する手法について研究し、以下のような成果を得た。すなわち、 1.事実経過の記述である表層的事例の知識表現方式として、問題の当事者(主体)と主体の価値観に相当するノ-ドを導入した新しい因果連鎖ネット表現形式を導いた。この表現形式は、コンピュ-タによる効率のよい普遍的な因果推移への一般化を可能にするための必要最小限の文脈要素を与えるものである。 2.上記文脈要素の連鎖からなる一般的知識表現の構造単位としての事象スキ-マを設定し、人間のプラン生成過程やオペレ-タの操作履歴などの事例に含まれる普遍的・典型的な行動パタ-ンを、上記構造単位の一定の順序・まとまりとして抽出、事象展開の本質をとらえた因果系列・マクロな操作手順を同定する手法を開発した。 3.現実世界から得られる不完全、かつ場合によっては矛盾する部分的情報、すなわち、いくつかの上記の知識の構造単位が与えられたとき、対象世界で成り立つ順序構造に着目することにより、完全性、整合性のとれた知識に統合する手法を様相論理の立場から導出した。 4.上記2の課題での成果に基づき、様々の集約・一般化レベル間およびレベル内での注視点の移動を可能にする対話システムを構築した。本システムにより利用者は、複雑な対象世界での実事例の内包する問題の本質を様々の抽象化レベルでとらえることができる。
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