研究課題/領域番号 |
01460165
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
矢尾 哲也 広島大学, 工学部, 教授 (20029284)
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研究分担者 |
宮川 佳夫 広島大学, 工学部, 助手 (50229803)
藤久保 昌彦 広島大学, 工学部, 助教授 (30156848)
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キーワード | 海洋構造物ブレ-ス材 / デント損傷 / 局部座屈 / 弾塑性大たわみ解析 / 円筒部材 |
研究概要 |
本年度は、円筒部材にデント損傷および曲げ損傷を付加する過程、およびその後に純曲げ荷重を作用させた場合の崩壊挙動をより精密に追跡するために、昨年度よりも細かい要素分割で、有限要素法による弾塑性大たわみ解析を行った。解析対象は、直径/肉厚比が30の比較的厚肉の円筒で、デント深さが直径の10%および20%の2つのケ-スを設定して解析を行った。デントはスパン中央に、先端半径5mmのインデンタ-を介して、3点曲げで付加した。純曲げは、4点曲げで負荷した。解析の結果、以下のことが明かとなった。 (1)デント深さが直径の20%までの範囲では、曲げ損傷はわずかであった。 (2)デント損傷が生じた部分には、大きな塑性変形が発生し、同時に大きな残留応力が発生する。 (3)残留応力により、デント底近傍の断面は降伏状態にある。この降伏領域は、デント深さが深いほど広い領域となる。 (4)純曲げ荷重負荷時の剛性は、残留応力の影響を大きく受け、残留応力を考慮すると剛性は低下する。 (5)デント損傷が曲げの引張側にある場合、曲げ荷重の増加と共にデントは回復する。 (6)デント損傷が曲げの引張側にある場合、曲げ荷重が増加すると曲げの圧縮側で局部座屈が発生する。この局部座屈は、材料の加工硬化を考慮しないと比較的早期に発生し、その後の耐荷力は減少する。
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