研究課題/領域番号 |
01460175
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
コンクリート工学・土木材料・施工
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 学 京都大学, 工学部, 教授 (30031074)
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研究分担者 |
宮本 文穂 神戸大学, 工学部, 助教授 (10093535)
井上 晋 京都大学, 工学部, 助手 (30168447)
宮川 豊章 京都大学, 工学部, 講師 (80093318)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | アルカリ骨材反応 / 塩害 / コンクリ-ト構造 / 損傷評価 / 耐久性 / 階層モデル / 判定システム / ファジィ理論 |
研究概要 |
アルカリ骨材反応および塩害によるコンクリ-トあるいは鉄筋の損傷がコンクリ-ト構造物の耐久性を早期に著しく低下させる原因として注目されている。アルカリ骨材反応および塩害による損傷発生要因は多岐にわたり、しかもこれらの関連性は複雑となっている。 本研究では、特に、アルカリ骨材反応による損傷に注目し、現在までに実施されている多数の調査、研究は整理することにより、主にアルカリシリカ反応(以下、ASR)発生要因の抽出を行い、各要因間の関連性をわかりやすく把握するために、システム工学的手法により階層化することによって、既設構造物に対する目視及び資料調査あるいは各種試験等から得られるデ-タを判断したものを、質問項目に対する回答として入力することによりASRによる損傷であるか否かの判定システムを構築した。そして、補修、補強を実施するに当たって必要となる構造物の性能評価について検討したものである。 本研究で得られた主な結果をまとめると次のようである:(1)階層構造モデルとアァジィ集合論を組み合わせることによって、技術者のASRに関する経験や知識の蓄積を反映させたASR判定システムの構築が可能となり、これを利用してASRによる損傷発生要因間の関連性を明確にすることができ、どんな経路で損傷が発生したかを知ることができる。(2)本システムでは、「骨材の反応性」及び「ひびわれ進行性」にどの程度異常が生じているかを考慮した定量的判定結果の出力が可能であるため、補修・補強を行う際の有力な指標とすることができる。 このように、本研究は、社会的関心の非常に高いコンクリ-ト構造物の早期劣化の問題を取り上げ、現在までに数多くの研究機関で蓄積されている知識・経験を階層的に系統化して取り扱おうとしたものであり、本報告書が今後この方面での問題解決の糸口となれば幸いである。
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