本年度は最初の年であるから、先ず、過去の解体工事例を集め、それらを分析し、体系化することにより、現場の条件に合った工法の選択が可能となる解体計画立案作業のシステム化を試みた。 右図はその概要を示すフロ-チャ-トである。1で対象物の規模・形態、立地条件、道路事情などを考慮して解体工法を定め、2で解体機器・作業の組み合せを決定する。まだ、デ-タ不足で適確な選定を下すに至らないが、パソコンで上記のフロ-を追うことができるようにした。 静的破砕剤は生石灰の水和反応を利用した化学的破砕薬であり、爆薬に比べると反応はゆるやかで取り扱い易い。しかしながら、反面数分、数十分の短時間破砕は難かしい。また、鉄筋が入ったコンクリ-トでは、鋼材のじん性が高いため、破砕剤の膨張力をもってしても切断不可能である。したがって、鋼材切断機器との併用を考えなければならない。最近、橋梁床板の打ち直し工事が各地で行われており、旧コンクリ-ト床板の短時間無公害解体法の開発が急がれている。カッタ溝に破砕剤を注入しても500kgf/cm^2程度の膨張圧が得られることを確かめた。 次年度は解体機器との併用に焦点をあて、無公害解体方法を確立する。
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