研究課題/領域番号 |
01460181
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
玉井 信行 東京大学, 工学部, 教授 (90010818)
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研究分担者 |
管 和利 芝浦工業大学, 講師 (70052884)
中井 正則 東京大学, 工学部, 助手 (10217648)
河原 能久 東京大学, 工学部, 講師 (70143823)
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キーワード | 複断面水路 / 代数的応用モデル / 2次流 / 大規模渦 / 浮遊土砂 |
研究概要 |
国内の大河川の多くは、低水路と高水敷とから成る複断面形状をしている。このような河川においては、洪水時に高水敷が水没すると流下能力が見かけの河積に対する計算値より低下したり、高水敷上の樹木群による複雑な影響が現われ、治水上の大きな課題となっている。本研究はこうした問題意識の下に行われた。 複断面水路内の低水路、高水敷接合部において生成される大規模な水面渦の2次元特性について検討した。発生頻度、軸方面に平均した渦の大きさ、強さなどにつき理論と実験から代表的な値を求めることができた。 乱流モデルの中での代数的応用モデルを複断面水路の流れに対して定式化し、2次流の実測結果に照して同定を行なった。2次流の強さを最も直接的に支配する乱流モデル中の係数は、ダクト流れの最適値の2倍程度に割増す必要があることが分かった。低水路と高水敷の境界に作用する見かけの力は、水路の2つの部分の間の運動量交換によって生ずる。この運動量交換の主なる担い手は2次流による輸送であり、乱流応力による輸送は従であることが分かった。1次元解析で用いるべき見かけの力、合成粗度係数は算定法などが、幅広い範囲の数値解析の結果を基として定式化された。 ボイル渦が浮遊砂の輸送に対して果す役割について、基礎的な算定を行なった。ボイル渦の特性量については今後の実験等で実態を明らかにしてゆく必要があるが、従来推定されている代表値を用いた算定では、ボイル渦による高濃度土砂の巻き上げ量は、石狩川の高水敷での洪水時の堆砂量とオ-ダ的には一致することが分かった。
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