研究課題/領域番号 |
01460195
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
花井 正実 広島大学, 工学部, 教授 (50037719)
|
研究分担者 |
玉井 宏章 広島大学, 工学部, 助手 (80207224)
近藤 一夫 広島大学, 工学部, 助教授 (00116584)
|
キーワード | 制振装置 / ダンパ- / 履歴減衰 / 極低サイクル疲労 / 累積損傷 |
研究概要 |
建築架構ブレ-スの中央交差部に、有孔鋼板と四角形に連結した連結材を配置した機構は、激震時に2本のブレ-スに加わる引張力により、有孔鋼板が塑性変形して、紡錘状の荷重変形履歴特性をもち、大きなエネルギ-吸収が行われるので、建物の応答を抑える制振装置として有効である。本年度(平成2年度)は、この制振装置の極低サイクル疲労実験及び弾塑性地震応答解析を行い、以下のことを明らかにした。 1.これまでの研究より得られた特性のよい形状の有孔鋼板と連結材とからなる制振装置の定振幅繰り返し載荷実験並びに二段二重繰り返し載荷実験を行い、歪振幅ー疲労破断繰り返し回数特性曲線を求めると共に、定常振幅時には、累積損傷則がよく成立することを明らかにした。 2.前年度の実地震応答実験より求まった変位応答時刻歴を用いた非定常振幅疲労試験を行い、地震応答時においても線形累積損傷則が十分成立することを明らかにすると共に、この累積損傷則を用いた制振装置の疲労寿命予測式を提案し、その予測精度を検討した。 3.高層建築架構の各層に本制振装置を有するブレ-スが組み込まれた時、各層に如何なる履歴特性をもつ有孔鋼板を配置すべきか、又、各層のブレ-スの断面形状あるいはブレ-スと架構の水平荷重分担率を如何にすべきかについて、前年度の実験及び解析結果から得られた制振装置の履歴特性に基づいて、種々の地振波に対する動的弾塑性応答解析を行い、その適正配置に関する知見を示すと共に、本制振装置を適用することにより建築架構の耐震性能が飛躍的に向上することを明らかにした。
|