研究課題/領域番号 |
01460201
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
紺野 昭 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (60126935)
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研究分担者 |
山崎 寿一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (20191265)
三宅 醇 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20124737)
鈴木 康 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90163013)
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キーワード | 地方都市計画 / 自治体の役割 / 浜松市 / 豊橋市 / 戦災復興 / 区画整理 / 都市計画の総合性 / 都市計画の関係性 |
研究概要 |
前年度の研究実績を踏まえて、本年度は、以下の内容で研究を進めた。 1)戦災復興計画の特徴と現代的評価 戦災を受けた両市は、復興土地区画整理を中心に戦後復興、その後の都市整備・地域整備を進めてきた。本年度は、両市の戦災復興計画の特徴の分析とその現代的評価を行い、(1)復興計画自体、戦前に策定された計画を基礎とする内容であったこと、(2)復興計画によって実現されている街路をはじめとする都市骨格は、現在の都心地区の骨格構成の基礎となっていること、(3)豊橋市の場合、復興計画によって導入されたロ-タリ-は、その後のモ-タリゼ-ションの発展に対応できずに改変され、その結果、5差路等の道路体系の問題を現在まで残していること、(4)豊橋市は、都心地区に存在していた旧軍用地の公園等の公共施設への転用や比較的減歩率の高い区画整理の遂行によって、当初計画に近い復興がなされたのに対して、浜松市の戦災復興は、当初計画の遂行が難しく、計画区域の大幅な縮小を与儀なくされたこと等が明かとなった。 2)戦後都市計画の展開過程の分析 計画・事業の両面から、戦後都市計画・地域整備の展開を整理し、両市の戦後都市計画変遷図としてまとめた。ここでは、特に都市計画事業・プロジェクトとの関係から、都市空間の形成過程を分析した。また、区画整理・緑地整備・街路整備等の各種都市計画事業の展開と各種事業の関連に着目し、都市空間構造の発展過程をモデル図によって示した。これらの分析作業を通じて、個々の都市計画事業の展開は相互に結び付き、全体としての都市構造を形成してきたことが明かとなった。 今後は、両市の都市計画の展開過程の比較を行うと共に、地方都市計画の推進に果たした自治体の役割と地方都市計画の主体育成に関する条件を明らかにして、研究のまとめとしたい。
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