本年度は、3年度研究の初年度にあたることから、中学校施設の現状について広範な情報収集を行なうという立場に立ち、次の3つの調査を実施した。平成元年度第2次分の内定によるので研究着手が遅れ、それぞれ一部継続中ではあるが、一応第一段階の成果をあげることができた。 (1)特色ある中学校に関する情報収集とデ-タベ-ス化作業ー学校運営、教育方法、施設計画などのうえで特色を持つ中学校のデ-タベ-ス化を行なった。文部省教育施設部指導課による既応の調査(筆者参加)のデ-タに加え、教育専門誌、教育学系学会誌、学校施設専門誌などの情報を追加し、現在まで約1200校のデ-タを各項目に従ってデ-タベ-ス化した。運営・教育及び施設内容の観点から類型化を行ない、それぞれ特徴的な4類型を導びいた。尚、運営・教育面と施設面の双方からあげられた中学校200校を後の詳細調査対象としてリストアップした。 (2)中学校の施設現況に関する詳細調査ー中学施設がおかれている現況についてできるだけ詳細に把握するため、地域性、自治体規模を考慮して抽出した5自治体について公立中学校の施設台帳調査を行ないデ-タベ-ス化を行なった。建設年代、中学規模、特別教室、多目的スペ-ス等の整備度、プランタイプなどの指標によって類型化を図るための予備的な検討を行なった。 (3)中学校の学校運営に関するヒアリンを調査ーカリキュラム・時間割、教科選択制、校務分挙組織、クラブ・部活動などの実態を把握するために、(1)、(2)で得られた学校のうち都内8校を抽出して、実地に訪問、ヒアリング調査を行なった。これにより、中学校運営及び教育方法上の課題、問題点の一端をより鮮明に把握できた。 以上から、次年度のより詳細な調査、分析への基礎資料を整備することができた。
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